－社会人から看護師の資格を取得されたそうですね。

そうなんです。潜水士の資格を持っているので、以前は水中工事や水中土木の医療とは関係のない仕事だったのですが、将来についての不安はありました。そんな時、縁があって地元の病院の内視鏡検査補助スタッフして働き始めたのが、医療業界に入ったきっかけです。

実際に病院で仕事をしてみると、「医療ってすごいな～」と感動してしまうことばかりで、看護の仕事に進むことを決め、看護師の資格取得を目指しました。看護師の資格を取ってからはずっと「館山病院」で働いています。

－5年間の実務経験を経て、すぐに認定看護師を目指したそうですね。

はい。私は社会人から看護師になっているので、同期よりもスタートが遅く年齢的に上だったので、将来のキャリアについて早くから考えていました。ちょうど私の少し前に、当院第一号の認定看護師を目指して研修に参加した先輩がいたので、自分も認定看護師に興味があることを看護部長に相談しました。

ちょうど診療報酬で感染防止対策加算が新設されたタイミングで、病院としても感染管理のスペシャリストを育成したい意向があったので、病院の全面的なバックアップを受けて感染管理認定看護師を目指すことができました。当時は病院からのバックを受けられることはとても珍しかったので本当に感謝しています。

－看護部の教育にはいつから携わっていますか？

認定看護師の資格を取得してからです。当院はそこまで大規模な病院ではないので、認定看護師は専従ではなく他の役割も兼務しています。病棟師長をしている認定看護師もいますが、私の場合は看護部管理室に配属され、看護部全体の教育活動に携わることになりました。

－教育担当者としての取り組みを教えてください。

主な取り組みは、看護部の年間教育計画の立案、看護部教育委員会の運営、看護研究に関する相談・アドバイスなどです。各部署の教育委員会のメンバーと連携して、新人教育の進捗・課題なども共有してもらっています。

看護部では、入職後のOJTに「チューターシップ」を採用し、新人さんの相談役としてチューターを、チューターの相談役としてエルダーを配置しています。そして、各部署の教育委員がチューターとエルダーの双方を支える役割を担って、部署全体で新人の育成・フォローアップに取り組める環境を整えています。

当院は多様な診療機能を持つケアミックス型病院であるがゆえ、病棟によって求められる看護が異なりますから、各病棟の特色に合った指導内容・支援計画を立てることも大事にしていますね。また、研修内容やラダー制度に関しても、看護部長と相談して随時見直しています。

－継続教育はどのように行っていますか？

日本看護協会の「クリニカルラダー」を参考に、当院独自のラダー研修を企画・運営しています。大きな特徴は、ラダーごとに月に一度のラダー研修日を設けていること。病院の教育委員会が主催する院内研修や、部署ごとの勉強会などは勤務の合間・勤務終了後に開催しますが、それぞれが該当するラダー研修日だけは通常業務を行わず、学習だけに集中してもらっています。

また、看護部では「徳洲会のeラーニング」以外に「学研のeラーニング」を導入していることも特徴です。徳洲会のeラーニングは基本的に病院教育委員会が主催する研修で活用して、学研のeラーニングは、個人のパソコン・スマホから好きな時間・場所で学ぶ自己学習ツールとして活用しています。

－教育に携わる上で心がけていることを教えてください。

私の役割は、スタッフが学べる環境を整えることだと思っています。スタッフ一人ひとりが自ら学ぶ姿勢を培っていけるような関わりを目指しています。

特に新人さんの教育に携わる際は、相手のことをよく観察し、性格や価値観など知ることから始めています。そうやって相手をよく理解した上で、どこまで伝えるか、どんな表現で伝えるか、一人ひとりに合わせて対応しています。

－入職を考えている方へのメッセージをお願いします。

皆さんご存じの通り、医療は日進月歩で変化していて、看護師は常に新しい知識・技術を学んでいく必要があります。学びを続けることは看護師として大きな武器になるので、ぜひ「自ら学ぶ姿勢」を大事にしてほしいと思います。

私は現在、専門看護師を目指して大学院に進学し、修士課程で感染制御看護学を専攻しています。当院はまだ専門看護師を育成した前例がなく、仕事と学業の両立で苦労することも多いですが、高度看護実践について学びを深めていける日々は充実していて楽しいです。

当院の看護師として働くことになったら、ぜひ自分に合った看護領域を見つけ、仕事も学びも楽しんでください。徳洲会グループには研修制度やキャリアサポートが整っているので、それらを存分に活かして理想のキャリアを築いてほしいと思います。