これまでの歩み
-こちらで働きながら看護師の資格を取得したそうですね。
ええ。前職は他業種で働いていて、「医療事務をやってみたいな」と思って当院に応募したのですが、結果的には薬剤助手として入職しました。なので、最初は薬剤師と一緒に病棟の薬に関する業務を行っていました。
あるとき私の主人が肺気腫になってしまい、肺気腫について調べていたところ、高齢になった際に在宅酸素などが必要になるという情報を見て「看護師になった方が良いのかな」と考え始めました。しかし、そのときはすでに35歳だったので、「今から看護学校なんて行けないよなぁ」と考えていたら、当時の薬剤師の先輩に「看護学校は何歳になっても行けるんだよ」と教えてもらったんです。
当院には資格取得支援制度があるので、制度を利用してまずは准看護師になろうと考え、働きながら准看護師資格を取得しました。その後、周りの先輩からの勧めもあって、看護師の資格も取得しました。
-ずっとこちらで勤め続けているんですね。
そうなんです。ここでずっと育ててもらいました。療養型でしか働いていないので、その分療養の看護のことは誰から聞かれても答えられるようになろうと、頑張って研修などに参加していました。
しかし私は、療養型しか経験していないことに加えて、さまざまな業種で働いた後に、「病院なら長く働けそうだな」くらいのふんわりした気持ちで入職して、その流れで看護師になったので、多様な経験を積まれてきたほかの病院の看護師長さんなどとは感覚が違うのかもしれないと感じています。
堅苦しいことがあまり得意ではなくて。スタッフに対して、間違っていることは間違っているときちんと伝えますが、基本的にはフレンドリーに、友達のような感覚で接しています。あまり良くないかもしれないですけど(笑)。
-新人時代について教えてください。
もともとの性格もあって、とてもせっかちな看護師でした。なんでもやりたくなって、突っ走って、ミスをしてしまうこともしばしば。今でも印象に残っているのは、誤薬未遂です。確認をしたつもりが患者さんに間違った薬を渡しそうになっていて、先輩に「それはあの方の薬じゃないよ」と言われたときの、心臓が止まるような感覚は一生忘れられません。誤薬って怖いとすごく思いました。
その経験があるので、新人さんには誤薬の怖さをしっかりと伝えています。