－社会人から看護師の資格を取得されたそうですね。

そうなんです。子どもが生まれてからはしばらく専業主婦でしたが、病院の看護補助者として働く友人から「仕事を手伝ってほしい」とお願いされて、無資格・未経験で看護補助者のアルバイトをはじめました。

それまで医療業界と無縁だった私にとって、病院の仕事はとても新鮮で、専門職の種類の多さにも驚きました。同時に、自分ももっと専門的なスキルを身に付けて患者様の役に立ちたいと考えるようになり、看護師の資格を目指したんです。

旧 小張総合病院には、看護師を目指す学生・社会人のための奨学金制度があり、働きながら准看護学校・看護学校に進学して看護師の資格を取得しました。当時は子どもが小学生で、子育てをしながら働き、学校にも通うのはとても大変でしたが、今となっては挑戦して本当に良かったと思っています。

－どんな新人時代を過ごしましたか？

おっちょこちょいな性格なので、看護師になったばかりの頃は、よく家族から「ちゃんと仕事をやっていけるの？」と心配されていました（笑）。

実際に新人時代には、ミキシングの時に点滴のアンプルを落として破損してしまったり、患者様を検査にご案内する際に場所を間違えて大笑いされたりと、たくさんの失敗がありました。

－認知症看護認定看護師の資格を取得されたそうですね。

はい。看護師の資格取得後、消化器外科病棟や循環器病棟を経験する中で、ずっと精神面のサポートの必要性を感じ、心のケアを学びたいと考えていました。当時の上司から、認知症看護認定看護師の資格を目指してみては？と提案されて、職場のバックアップもあったので、2019年に資格を取得しました。

身に付けた専門性は患者様のために活かすだけでなく、職員のために認知症ケアの研修を開くようになり、だんだんと教育活動に携わる機会が増え、2025年度より看護部教育委員会の委員長に就任しました。

－現在の取り組みについて教えてください。

クリニカルラダーに沿って年間研修スケジュールを立案し、各部署と連携を図りながら看護教育を行っています。看護部の教育担当者として、スタッフとのコミュニケーションを大切に、話しやすい・相談しやすい職場づくりに貢献できるように努めています。
　

当院は2025年2月から徳洲会グループになり、病院名も新たに再スタートしたばかりなので、今後は徳洲会グループの教育制度も活用していきたいと考えています。

また、2025年度よりeラーニングを導入し、いつでも好きな時間・場所で学べるようになりました。ただ、eラーニングだけでは実技の習得が難しいので、集合研修で技術訓練を行ったり、臨床の場で体験学習を行ったりと、バランスを考えて企画しています。

－入職後のOJTはどのように行われますか？

入職後は、新卒者にも中途入職者にも、メンター（相談役）・アソシエイト（技術指導担当）・パートナー（業務に一緒に取り組む係）の3名の先輩を付け、チームで成長を支えています。

新しい職場での仕事は不安もあるかと思いますが、業務に慣れるまではメンター・アソシエイト・パートナーの先輩のいずれかが必ず近くで見守りますし、3名以外の先輩もフォローに入るので安心してください。

－配属先はどのように決まりますか？

新卒者は、入職後2カ月間をローテーション研修とし、各部署の業務を体験してから配属希望のアンケート調査を行います。希望は100％通るわけではありませんが、できる限り考慮し、配属後の部署異動の相談にも柔軟に対応しています。

－入職を考えている方へのメッセージをお願いします。

私たち看護部の理念は「心に届く医療の実践」で、患者様お一人おひとりに寄り添った看護の提供に努めています。看護師として、知識・技術の習得はとても重要ですが、そこに「温かい心」がなければ、患者様と良い関係を築くことはできません。当院の看護師には、患者様にはもちろん、ご家族や一緒に働く仲間に対しても、思いやりと誠実さを大事にしてほしいと考えています。

相手を思いやる優しい心は、深い学びへの探求心となり、自身の成長につながります。当院には、あなたの学びを応援してくれる仲間・先輩がたくさんいますから、ともに考え、ともに成長していきましょう。