これまでの歩み
-新人時代の思い出を教えてください。
私が新人の頃は「仕事は見て覚える」という時代で、先輩に質問するのは勇気がいることで、仕事でわからないことがあっても「わかりません」と言えない空気がありました。
でもある時、病棟に新しく赴任した師長が患者様の対応をしている時、新人の私に「わからないから、やってくれる?」と、気さくに話かけてきたことがあったんです。経験豊富な師長さんにもわからないことがあるんだ…と、安堵したと同時に、困った時には周囲に助けを求めていいことを学びました。
時代とともに、仕事は見て覚えなさいという教え方はなくなりましたが、新人さんが「なんとなく質問しづらい」と感じてしまう職場はいまだにあると思います。管理職になった今、困った時に上司や先輩を頼れる環境って大事だと感じているので、日頃からスタッフとは近い距離感で接するようにしています。
-印象に残っている患者様とのエピソードはありますか?
学生時代の話になりますが、看護補助者として勤務していた脳外科病棟に、自ら電車に飛び込んだ若い患者様が搬送されたことがありました。意識が戻るように、刺激療法を行ったり好きな音楽を聴かせたりと医師や看護師が試行錯誤を重ね、ご家族と婚約者の方の協力も得られて本人に根気よく声かけを続けていました。
そうしたら、本当に奇跡的に患者様の意識が戻ったのです。人間の持つ生命力に心から驚き、まわりの方の深い愛情に感動しました。私は学生時代にそのような場面に立ち会うことができたので、どんな状況でも人間の「生きる力」を信じたい気持ちがあって、看護を提供する上でご家族の存在は欠かせないと思っています。
-結婚・出産・転居を経て、こちらの病院に入職されたそうですね。
そうなんです。家族で茨城に引っ越し、通いやすい立地にあった当院に入職しました。入職後まもなく管理職のお話をいただき、1年くらい迷いましたがお受けして、認定看護管理者教育課程のファーストレベル・セカンドレベルなどでマネジメントの学びを深めました。
師長になって約20年になります。近い将来次期師長への交代の時期を迎えますが、次期師長は医師からの信頼も厚く、スタッフとの関係も良好でリーダーシップを発揮できる人材なので、安心して引き継ぎを行うことができます。