

医療法人社団 明芳会
イムス三芳総合病院
( 一般病院 )


昨今、あらゆる医療現場で退院後の支援体制の整備が進められていますが、在宅支援に興味を持った場合、どんなところで働けばよいのか悩みますよね。地域の中核病院としての役割を担う「イムス三芳総合病院」では、病院スタッフだけでなく、在宅部門で働くスタッフの育成にも力を注ぎ、入院中から退院後まで継続した支援を実現しているとのこと。さっそく見学に行って、その実態を確かめてきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 埼玉県入間郡三芳町/鶴瀬駅
- 病床数
- 273床

玄関
「イムス三芳総合病院」へのアクセスは、病院と「鶴瀬駅」を結ぶ無料送迎バスが便利。敷地内には広い職員用駐車場が完備されているため、約7割のスタッフが車通勤をしているそうです。玄関では、在宅部門の訪問看護ステーションと、定期巡回・随時対応型訪問介護看護ステーションの所長を務める、看護師の小椋さんが迎えてくれました。「ようこそ!今日は院内だけでなく、在宅部門の様子もじっくり見学して行ってくださいね」。


玄関ロビー
開放感のある玄関ロビーは、病院とは思えないほど洗練されたインテリアで、お洒落なカフェまで併設されていました。「歴史ある病院ですが、新築移転や医療機能の拡充によって、最新のハード面を整えています。また、総合病院のため診療科が多く、専門外来や専門センターも設置して、さまざまな疾患・症例の患者様を受け入れていることが特徴。看護師は、手術室、透析センター、HCUなど、病棟以外の活躍の場も広いんですよ」。


病棟
つづいて、病棟にやってきました。「全273床の入院設備は4F~9Fにあり、患者様のスムーズな在宅復帰を支援するため、各病棟で訪問看護師と病棟看護師の情報共有の機会を充実させています。訪問看護師が働く在宅部門の事業所は、病院に併設されていることから、気軽に行き来することができて、病棟の退院前カンファレンスにも訪問看護師が参加しているんですよ」と、小椋さん。


在宅部門
お次は、在宅部門の訪問看護ステーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護ステーションを案内していただきました。「在宅部門は、対象者やサービス内容が異なる2つの事業所で構成されていますが、働くフロアは同じです。訪問看護師、訪問リハビリスタッフ、訪問介護スタッフが在籍していて、近年では地域からの利用ニーズが増えているので、スタッフの増員を計画しています」と、皆さん。


在宅部門
「在宅部門では特に、定期巡回・随時対応型の訪問介護スタッフを積極採用中です。事業所内の訪問看護ステーションと一体型のサービス提供方式なため、介護スタッフはいつでも看護師に相談できる環境があります。利用者様のお宅には、ケアコール端末の緊急ボタンを設置し、24時間こちらのパソコンにケアコールが届く仕組みで、夜間の万が一に備えて、看護師が2台の専用電話を携帯しているんですよ」。


在宅部門
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、どんな利用者様向けのサービスなんですか?「利用できるのは三芳町の住民の方で、要介護1~5の認定を受け、在宅療養を希望される方への介護保険サービスです。対応エリアが狭いため、移動時間は5~10分程度。医療ニーズの高い方は、医療保険の訪問看護サービスを利用しているので、業務はデイサービスへの送り出しや服薬管理、着替えのお手伝い、家庭のゴミ出しなどの日常生活支援が中心になります」と、小椋さん。


在宅部門
タイミング良く、午前の訪問から戻ってきた介護スタッフさんにお会いできました。1日何件のお宅を訪問しているんですか?「6~7件です。毎日の訪問や、1日に複数回の訪問にも対応しています。24時間365日体制での随時対応と聞くと、忙しいイメージを抱くかもしれませんが、定期巡回時にきめ細かく対応しているので、緊急訪問依頼はほとんど入りません。残業も少ないですし、毎日ほぼ定時に退勤できるので、無理なく仕事を続けられています」と、介護スタッフさん。


在宅部門
お昼休憩をはさんで、午後の訪問のお見送りをしました。移動は車なんですね。「はい。近隣への訪問は電動自転車ですが、遠方や雨の日は車移動が多いです。訪問時間は1件あたり1時間程で、効率の良い訪問ルートで巡回するため、移動が大変と感じることもないと思います」と、小椋さん。利用者様は受け持ち制にせず、すべてのスタッフがすべての利用者様に対応できる体制を取っているそうです。


訪問看護の様子
特別に、実際の訪問看護の様子を見学させていただきました。「看護師は、訪問看護と定期巡回・随時対応型訪問看護を兼務する場合が多く、ターミナル期や医療機器管理が必要な重度の方から、疾病予防の健康管理程度の方まで、さまざまな在宅療養者のケアに携わっています。独居の方や、老々世帯の方の利用も多いので、コミュニケーションを通して生活背景まで理解し、個別にじっくりと向き合っているんです」と、訪問看護師さん。


院内研修の様子
現在は新型コロナウイルスの感染症対策として、ほとんどの研修を、ZOOMを活用したオンラインで行っているそうです。「事業所内の勉強会に加えて、イムス三芳総合病院の研修や、IMSグループの合同研修、外部研修にも積極的な参加を促しています。また、訪問看護・訪問介護が未経験の方でも安心して働けるよう、入職後は先輩の同行訪問を1カ月間行い、業務に自信がついてから一人で訪問に行く体制にしているんですよ」と、小椋さん。


院内保育室
最後は、院内保育室を紹介していただきました。「保育室は24時間対応で、病院スタッフも在宅部門のスタッフも利用しています。子育て中のママさんが多く活躍する職場なので、利用者がとても多いんです。保育中にお子さんの体調が悪くなっても、院内の小児科を受診できるので安心ですよ」と、小椋さん。子育て支援として、お子さんが小さいうちは、日勤常勤や時短勤務を選ぶこともできるんだとか。今日はありがとうございました。

帰り道

――おつかれさまでした。在宅部門スタッフの育成にも力を注ぐ総合病院、いかがでしたか?
- 病院から在宅へのスムーズな移行体制が整っていて、一般的な訪問看護サービスだけでなく、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの利用拡大にも取り組んでいました。病棟では、在宅部門のスタッフも含めたチーム医療を推進しており、在宅部門のスタッフも病棟のカンファレンスや院内研修に参加しているそうです。
――在宅部門には、どんなスタッフの方が活躍していましたか?
- 家庭を持つ女性スタッフが多かったです。病院の保育室が利用できるため、小さなお子さんを持つ方もいて、所長さんも仕事と家庭の両立に理解の大きい方でした。また、入職後の教育サポートが充実しているので、訪問看護・介護の仕事に未経験で入職した方も活躍していました。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 訪問介護なのに宿直がある、ということに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。でも、開設以来、夜間の緊急ケアコールはほとんどないと伺いました。宿直時は事業所待機なので、病棟や介護施設の夜勤とは少し異なるそうです。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 在宅部門の所長さんはとても気さくな方で、在宅部門のスタッフからはもちろん、病院のスタッフからも慕われていました。以前は、イムス三芳総合病院の外来・病棟・透析室などで働いていたそうで、在宅部門の事業所のトップが病院スタッフと距離が近いからこそ、部門を超えた密な連携が実現しているのだなと感じました。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスに興味のある方
子育て中も、やりがいやスキルアップを大切にしたい方