「仕事と子育てを両立したい」「働きながら資格を目指したい」と考えても、うまくいくか不安を感じる方は多いはず。群馬県桐生市にある「高木病院」は、「実働7時間15分・残業ほぼゼロ」という働きやすさが整っているため、家庭や学業との両立を実現する看護師が多いんだとか。提携の看護学校があり、働きながら看護師を目指す准看護師・看護助手も歓迎しているそうなので、さっそく見学に行って働く魅力を調査してきます。
- 形 態
- ケアミックス型病院
- 所在地
- 群馬県桐生市/相老駅
- 病床数
- 167床(一般119床、療養48床)
玄関
「高木病院」へのアクセスは、東武桐生線・わたらせ渓谷鉄道「相老駅」から徒歩7分。敷地内には無料の職員用駐車場が完備されているため、マイカー通勤の方が多いそうです。玄関で迎えてくれたのは、働きながら看護師の資格を取得し、3人のお子さんを育てる入職15年目の看護師さん(写真左)と、看護師を目指して専門学校に通っている入職2年目の准看護師さん(写真右)。今日はよろしくお願いします。
玄関ロビー
まずは、事務長が病院の特色と病院が所属する大坪会グループのパンフレットを紹介してくれました。「地域における当院の大きな役割は『急性期病院の受け皿』で、在宅復帰を応援したり、長期療養や終末期ケアに対応したり、高齢化が進む地域に寄り添っています。県内の大坪会グループの施設は当院と老健『さくら苑』のみですが、管理職は首都圏のグループ病院と毎月情報交換を行い、より良い病院づくりに取り組んでいます」と、事務長。
看護部長室
お次は、阿久澤看護部長にお会いしました。看護部には家庭を持ちながら長く働く方が多いそうですね。「ええ。当院は慢性期寄りのケアミックス型病院なので、業務に追われるような慌ただしさはなく、定刻通りに働けるため、結婚・出産後も安心して仕事を続けやすいと思います。日勤は9時~17時15分と実働が短い上に、残業は月平均約3時間、有休消化率は90%以上と、ワークライフバランスを大切にできるところが自慢です」と、看護部長。
一般病棟
お次は、お2人が働く一般病棟へ。働きながら看護師資格を取得する際、職場のサポートはあるんですか?「はい。大坪会グループの看護学校がお隣の埼玉県にあり、推薦枠があって入学しやすいんです。また、市内にも長年親交のある看護学校があり、授業や試験に合わせて勤務を調整してくれるため、看護部にはほぼ毎年、国家試験を受験するスタッフがいるんですよ」。
病室
病室を覗くと、看護助手さんがリネン交換を行っていました。「看護助手は無資格・未経験でもOKで、他業種からの転職者もたくさん活躍しています。主な仕事は、入院患者様の生活支援や身体介助と、看護師のサポートで、医療や介護の知識ゼロで入職しても安心して働けるように、手厚い教育サポートを用意しています」。看護助手は、働きながら初任者研修・実務者研修・介護福祉士などの資格に挑戦することもできるんだとか。
スタッフステーション
入職後は、具体的にどんな教育を受けることができるんですか?「約3カ月間、新人研修期間としてこんなふうにサポート役の先輩が付いて、マンツーマンのOJTを行っています。中途入職者の場合はキャリアがさまざまなので、個別に合わせた指導を心がけ、育児などでブランクがある方には特に丁寧に指導しています」。復職を希望する潜在看護師の入職も大歓迎とのこと。
院内研修の様子
研修室では、eラーニングを活用した集合研修が行われていました。「院内研修は毎月さまざまなテーマで開催しており、現在は新型コロナの影響で外部研修に参加しにくい状況が続いているので、eラーニングも活用して最新の知識・技術の習得に励んでいます」。看護部では、スタッフ全員にeラーニングのIDを支給し、いつでも個人のパソコンやスマホから学べるようにしているんだとか。
スタッフステーション
スタッフステーションに戻ると、多職種カンファレンスが行われていました。「当院では、質の高いチーム医療の実現のために、医師・看護師・看護助手・リハビリ職・薬剤師・栄養士などが一堂に集まって、定期的に話し合いの場を設けています。大き過ぎない病院のため、ほとんどの職員が顔見知りの関係で、情報共有がスムーズに行えて部署の壁を感じないです」と、皆さん。職種間のコミュニケーションが活発ですね。
リハビリテーション室
つづいて、明るく開放的なリハビリテーション室へ。リハビリにも力を入れているんですか?「はい。当院の許可病床は167床で、現在稼働中の一般病棟(59床)と療養病棟(48床)の他に、休棟中の地域包括ケア病棟(60床)もあり、在宅復帰に向けたリハビリに力を注いでいます」。休棟中の地域包括ケア病棟は、各専門職を増員して体制が整い次第、再び稼働する方針とのこと。
保育室
お次は、敷地内の保育室を案内していただきました。夜勤にも入れるように24時間保育に対応し、1回1000円(1カ月最大1万円)というリーズナブルな保育料を設定しているそうです。「現在の看護部は、子育ての手が離れた世代が中心なので、保育室の利用に空きがあって狙い目です。こちらの保育室のおかげで、産休・育休取得後の復帰率はとても高く、お子さんが小さいうちは、日勤常勤・時短勤務・パート勤務などを選ぶ方もいます」。
病棟
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。どんなところが働きやすさにつながっていますか?「年齢を重ねても、ライフスタイルが変化しても、無理なく仕事を続けられる環境が整っているところですね。看護部は職員定着率が高いので、スタッフの年齢層は少し高めで、人生経験の豊かさを活かして新人さんに温かく寄り添い、成長をバックアップしています」と、皆さん。それは心強いです。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。家庭や学業との両立を実現しやすい病院、いかがでしたか?
- 実働が短くて残業もほとんど発生しないため、結婚・出産後はもちろん、年齢を重ねても働きやすい環境でした。看護部には勤続20年以上の方がたくさん在籍していて、看護部長は新卒から30年以上勤務しているとのこと。永年勤続者が多いので、半数以上の看護師が育児経験者で、新米ママからお孫さんのいる世代まで、年齢層は幅広かったです。
――お休みの希望は通りますか?
- はい。希望休は月3回まで申請できて、ほぼ100%通るそうです。看護部では、子育てや学業との両立を応援しているので、お子さんの行事には必ず参加できるように配慮したり、学校の授業や試験に合わせてシフトを組んだりしていて、急な勤務変更にも可能な限り対応しているそうですよ。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 慢性期寄りのケアミックス型病院なので、急性期の現場でバリバリ働きたいという方には向いていないかもしれません。入院患者様は、地域の急性期病院を退院された高齢者の方が中心のため、リハビリ看護や在宅復帰に向けたサポート、長期療養支援などに興味がある方はおすすめの職場です。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 看護部長をはじめとして、看護部の皆さんは気さくで親しみやすい人柄の方ばかりで、とても温かい職場でした。一度退職したスタッフに対しても、「いつでも戻っておいで」と声をかけているそうで、再就職した方もいるそうですよ。
結婚・出産後も長く安心して働ける環境を求めている方
准看護師・看護助手として働きながら看護師の資格を取得したい方