
高齢化が進む今、認知症に関する専門スキルは大きな強みになりますよね。豊かな自然に囲まれた「青梅東部病院」は、認知症を抱える方のための専門病院。さまざまな専門職がチームを組んで連携し、「この病院で良かった」と満足してもらえるケアの提供を目指しているそうです。看護部では教育体制を充実させて、未経験から認知症看護のプロを育てているらしいので、さっそく見学に行って働く魅力を見つけてきます!
- 形 態
- 認知症治療専門病院
- 所在地
- 東京都青梅市/東青梅駅
- 病床数
- 180床


玄関
「青梅東部病院」へのアクセスは、JR青梅線「東青梅駅」と病院間を運行する無料送迎バスに乗って約7分。奥多摩の美しい山々に囲まれた立地が特徴で、駅から少し離れていますが、敷地内には無料の職員用駐車場があるのでマイカー通勤の方が多いそうです。玄関で迎えてくれたのは、入職1年目の言語聴覚士さん。「ようこそ!今日は自慢の職場をたっぷりとご紹介しますね」。


あけぼの農園
まずは、スタッフの皆さんで耕した敷地内の「あけぼの農園」へ。自然に恵まれた環境で、おいしい野菜が育ちそうですね。「ええ、土いじりが好きな患者様のために、以前から園芸療法ができるスペースが欲しいねと話し合っていて、レクリエーション委員会の看護師やOTが中心となって畑をつくり、患者様と一緒に野菜を育てています。2024年からは、玄関前の園芸スペースでお花も育てているんですよ」。素敵な取り組みですね。


病棟
病棟に行き、まずは教育担当の副看護部長にお会いしました。どんな仲間を歓迎していますか?「学びを楽しめる方がいいですね。2025年度から入職時教育を充実させたので、新卒者や社会人から看護師になったばかりの方も大歓迎。2026年度にはラダーシステムを導入し、自身のレベルに合った研修を受講して段階的な成長を目指せる体制を整える予定です」と、副看護部長。


スタッフステーション
スタッフステーションでは、eラーニングを受講している看護師さんがいました。「eラーニングは2025年度から導入され、業務の合間に職場のパソコンや個人のスマホから学ぶことも許可されています。看護部では幅広いテーマの院内研修も充実させていますし、看護協会などの外部研修にも積極的に参加しやすい体制を整え、スキルアップを応援しています」と、看護師さん。


レクリエーションの様子
「こちらは、先日開催したレクリエーションの様子です」と、写真を見せてくれました。「当院では入院生活に楽しみを持っていただけるように、季節ごとの行事や院内外のレクリエーションを充実させています。また、患者様の個人的な夢を叶える『夢プラン』という取り組みもあり、思い出の地を訪問したり、好きなものを食べに行ったり、ご家族も一緒に楽しんでいるんです」。これまでの夢プランでは、秩父観光をしたこともあるのだとか。


デイルーム
デイルームでは、作業療法士さんが活躍していました。「チーム医療を推進する当院では、医師・看護師・リハビリスタッフなどが連携して、集団・個別での生活機能回復訓練にも取り組んでいます。認知症の症状を少しでも和らげ、その人らしい穏やかな生活を取り戻していただけるように、ADLの維持・向上だけでなく、QOLも高めていけるような関わりを心がけています」と、作業療法士さん。


病室
病室に行き、インドネシアから学びに来ている特定技能実習生さんを紹介していただきました。「現在13名の特定技能実習生を受け入れていて(2025年6月)、皆さん日本語を熱心に勉強されているので、すっかり職場に馴染んでいます。当院では2024年から特定技能実習生の受け入れを開始し、看護補助の業務や患者様のケアについて学んでもらっているんですよ」。多様な人材が活躍していますね。


病室
別の病室では、看護師長が患者様とお話をしていました。「当法人では、フランス発の認知症ケア技法であるユマニチュード®の考えを取り入れ、患者様に『この人となら良い時間を過ごせる』と感じてもらえるような関わりを全スタッフが心がけています。法人本部ではユマニチュード®推進委員会を立ち上げ、定期的に研修を開催しているので、当院のスタッフも積極的に参加しているんですよ」と、看護師長。


スタッフステーション
スタッフステーションでは、看護師と看護補助者によるカンファレンスが行われていました。「当院では、患者様の生活支援や環境整備を担う看護補助者も積極的に採用中です。看護補助者は無資格・未経験者も大歓迎で、入職後はベテランの先輩がサポート役に付くので安心してくださいね」。手厚いキャリア支援を整え、看護補助者として働きながら看護師・准看護師・介護福祉士などの資格を目指す方も応援しているとのこと。


病棟
つづいて、ママさん看護師のお2人を紹介していただました。子育て中のスタッフは多いですか?「はい。子育てサポートとして保育費・学童保育費補助制度があり、小さな子どもを持つスタッフもたくさん活躍しています。残業がほとんど発生しない職場なので、子どものお迎えに遅れる心配がなく、勉強会や委員会活動なども基本的に勤務時間内の開催で、無理なく参加できています」と、お2人。


病棟
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「休暇が充実していて、とても働きやすい環境です。月10日の公休に加えて、年3日のリフレッシュ休暇もあり、有休もほぼ100%取得できるので、家庭やプライベートを大切にできます。待遇・福利厚生も充実しているので、年齢を重ねても長く働く仲間がたくさんいますよ」と、皆さん。魅力的な職場ですね。今日はありがとうございました。

帰り道

- ――お疲れさまでした。高齢化が進む時代に求められる認知症専門病院、いかがでしたか。
- 認知症専門病院と聞くと、ハードルが高い印象もありましたが、とても穏やかな雰囲気の病院で、多職種が一丸となって「身体拘束をしない認知症ケア」を目指しています。見学前は、精神科病院や療養型病院のような場を想像していましたが、実際は介護施設に近い雰囲気で、季節行事やレクリエーション活動が活発です。
- ――認知症ケア未経験でも働くことはできますか?
- はい。入職後のOJT体制も整っていますし、週に一度は勉強会が開催され、本部主催のユマニチュード®の研修にも積極的に参加できるので、働きながら専門性を身に付けることができます。2025年度から入職時教育がより充実しましたし、eラーニングも導入されたので自己学習にも取り組みやすいと思います。
- ――では、ここはちょっと、というところは?
- 看護師もオムツ交換や行事の開催に携わるので、「一般的な看護師業務のみを行いたい」と考える方には合わないと思います。職種ごとに役割はありますが、職種を超えて協力し合える業務はみんなで行っていました。
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 母体の「医療法人社団 純正会」では、グループ内副業制度を設け、普段の職場では得られないスキルを磨くチャンスを用意しているそうです。経験を広げながら収入を増やすこともでき、スタッフの皆さんに好評なのだとか。
未経験から認知症ケアや高齢者看護を深めていきたい方
働きながら看護師・准看護師・介護の資格取得を目指したい方