これまでの歩み
-新人時代について教えてください。
学生時代の実習でお世話になった国立病院に入職し、神経内科・耳鼻科の病棟を希望しました。希望した理由は、実習中に受け持った患者様のおひとりが「就職するならここに来てほしい」と言ってくださったからです。実際にそこに配属が決まったときは、その患者様が泣いて喜んでくれて、とてもうれしかったのを覚えています。
しかし、その病棟への配属を希望したのは私だけで、同期がいなかったため、患者様が喜んでくれたのはうれしかったですが、仕事をする上では少し大変でした(笑)。
-新人のときに大変だったことを教えてください。
怖い先輩がいて、入職して半年間は一言も話せませんでした。その先輩がいると緊張してしまって、休憩室にも入れませんでしたね。加えて昔は「新人が先に休憩室に入って、先輩にお茶を入れる。その後の片づけもする」という暗黙のルールがあったので、新人の私が遅れてしまったときは、怖くて、余計に入りづらくなっていました(笑)。入職半年後くらいから、自然と会話ができるようになったんですけどね。
あとは、今のように指導体制も整っておらず、「見て覚える」という時代だったので、それも大変でした。4月からすぐに夜勤も入っていたので、覚えることに必死でした。
-看護師人生の中で印象に残っていることはありますか?
一般病棟から精神科病棟に異動になったことです。一般病棟では、私が行ったケアに対して、患者様から「ありがとう」などと感謝の言葉をいただけることが多くありましたが、精神科病棟で同じケアを行うと、拒否されて、暴言・暴力で返ってくることもあったんです。
精神科病棟の患者様は、病気の影響で医療スタッフに対して攻撃的になることもあります。感受性が高く純粋さを持つ一方、感情の起伏や生活上の困難を抱えることが多いからだと思います。そのときに、「今まで私が行ってきたケアは自己満足だったのかもしれない」と、思いました。
そこから、「もっとお一人おひとりを観察し、『この方にとって何が良いことか』を考えて看護を行わないといけない」と気付くことができました。あのままずっと一般病棟にいたら、そこに気付けずに、自己満足の看護をし続けていたかもしれないなぁと思うと、異動できてよかったです。