「業務に追われずに患者様としっかり向き合いたい」と考える方は、慢性期病院に向いているかもしれません。戸田中央メディカルケアグループ（TMG）の「熱海 海の見える病院」は、海の近くでゆったり働ける慢性期病院で、患者様お一人おひとりとじっくり向き合える環境が整っているとのこと。スタッフが心地良く働ける環境を追求し、職員向けの設備や福利厚生を充実させているらしいので、さっそく見学に行ってきます。

「熱海 海の見える病院」へのアクセスは、「熱海駅」と病院を結ぶ無料送迎バスが便利です。多くの職員が送迎バスを利用するため、帰りのバスの時間に配慮し、定時退勤を推進しているとのこと。「熱海駅」から東海道線に乗ればすぐに神奈川なので、藤沢から通勤する方もいるそうです。玄関で迎えてくれたのは、透析室で働く入職5年目の看護師さん。今日はよろしくお願いします。

まずは、美しいオーシャンビューを満喫できる屋上へ。病院名の通り、熱海の海が目の前に見えるんですね。「ええ、当院は高台にあり、院内の至る場所から相模湾を一望できるので、海側の壁はガラス張りを多く取り入れ、開放感抜群の空間を実現しています。地域に暮らす高齢者の方が、慣れ親しんだ景色に囲まれて療養できる環境です」。屋上は熱海の花火大会の特等席で、迫力満点とのこと。

そして屋上には、患者様もスタッフも利用できる天然温泉を引いた足湯が。職場で海を眺めながら足湯に浸かれるとは、素敵ですね！「そうですね。熱海は全国有数の温泉観光地なので、周辺には温泉宿がたくさんあります。看護部には県外から熱海に引っ越して職員寮に暮らすスタッフも多く、休日はいろいろな観光スポットやビーチに出かけて熱海生活を楽しんでいるようです」と、看護師さん。

職員食堂はおしゃれなカフェのような雰囲気で、ガラス張りの壁なので海を眺めながら食事ができます。「リーズナブルな値段で手作りのおいしいゴハンが食べられるので、多くのスタッフが利用しています。メニューは日替わり定食・麺類・カレーの3種類で、ときどき季節にちなんだ行事食も登場するんですよ」。魅力的な福利厚生ですね。

障害者病棟の病室に伺うと、看護師さんが患者様と向き合っていました。「当院には障害者病棟が2つと、療養病床と地域包括ケア病床の混合病棟が1つあり、病棟ごとに患者様の特徴は異なりますが、長期入院の方がほとんどです。終末期の意思決定にも携わる機会が多いため、ACP（アドバンス・ケア・プランニング）の実践を目指して取り組んでいるんですよ」と、看護師さん。

廊下では、看護師さんと看護補助者さんが情報共有を行っていました。「要介護度の高い高齢患者様が多いため、身体介助や生活支援を担う介護福祉士・看護補助者が手厚く配置されていて看護師と協働しています。患者様の中には言葉でのコミュニケーションが難しい方もいらっしゃるので、毎日状態をしっかり観察しながら、小さな変化も共有するようにしているんです」と、看護師さん。

スタッフステーションに行き、新人指導の様子を見学させていただきました。「入職後は新卒者にも中途入職者にもプリセープターの先輩が付き、こんなふうにマンツーマンの丁寧なOJTを実施しています。看護部では入職時教育を充実させて毎年新卒看護師を採用しているので、キャリアの浅い方やブランクのある方には新卒同様の手厚いOJTで成長を支えています。安心してくださいね」とのこと。

つづいて、看護部長（写真左）と看護係長（写真右）が教育体制について紹介してくれました。「看護部ではTMGのラダーやキャリア支援を活用し、学びの機会を充実させています。2023年度から看護実習の受け入れを開始したので、実習指導者研修への参加を推進したり、専門ケアの充実を目指して認定看護師資格の取得や特定行為研修の受講を促したり、スペシャリストの育成にも取り組んでいるんですよ」。

つづいて、18台の透析ベッドを備える透析室へ。午前・午後の2クール体制で外来透析と入院透析に対応しているそうです。「生活の中に『透析』がある患者様がよりその人らしく生活することができるように、多職種で連携しながら援助することを大切にしています。足病変の予防のフットケアや、腎臓リハビリテーションにも取り組み、その方らしい暮らしを支えたいと考えていて、入院患者様の情報は多職種で常に共有しています」。

リハビリテーション室の壁もガラス張りで、美しい自然を眺めながら機能訓練に取り組めます。「障害者病棟や療養病棟の患者様の中には要介護度が高く病室でリハビリに取り組む方もいますが、なるべく離床を促してこちらにお連れしています。地域包括ケア病床には、ご家族の休息が目的のレスパイト入院の患者様もいらっしゃるので、家庭内での役割や生きがいの獲得に向けたプログラムを提供しています」。

最後は、法人合同の保育室へ。車で10分ほどの立地にあり、24時間保育や学童保育にも対応しているとのこと。「仕事と子育てを両立しやすい環境が整っているので、産休・育休後の職場復帰率が高く、小さなお子さんを持つママさんもいきいきと活躍しています。TMGには男性スタッフの育休取得実績が豊富なので、育休を取得したいパパさんも大歓迎です」と、看護師さん。今日はありがとうございました。

――お疲れさまでした。海の近くでゆったり働ける慢性期病院、いかがでしたか？

相模湾の絶景を見下ろすことができる高台にあり、院内から海が見えるようにガラス張りを多く取り入れた設計となっていて、開放的な気分で仕事ができる環境です。急性期～回復期の医療機関での治療を終えた患者様が中心なので、比較的容態が落ち着いていて、どの病棟も穏やかな雰囲気でした。

――看護部には、どんなスタッフが活躍していますか？

看護部には20代～60代の幅広い年齢・キャリアのスタッフが在籍し、認知症看護認定看護師などのスペシャリストも活躍しています。手厚い教育体制を整え、新卒看護師を毎年採用し、2023年度からは看護実習を開始したため、一般的な慢性期病院よりも若手が多く活躍している印象です。

――では、ここはちょっと、というところは？

急性期・回復期の医療に携わりたい方には合わないと思います。長期療養が必要な高齢患者様が中心で、寝たきりの方も多いため、看護師も食事・入浴・排泄介助に積極的に介入しています。

――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。

スタッフ一人ひとりの能力・頑張りをきちんと評価するため、「人事考課制度」を整えているそうです。日頃の頑張りをタイムリーに賞与に反映しているので、スタッフの皆さんのモチベーションアップにつながっているそうです。