

医療法人社団 一秀会
葛飾橋病院
( 精神科病院 )


葛飾区唯一の精神科単科病院の「葛飾橋病院」は、2012年の開院55周年を機に、古い体制を見直し、ハード面・ソフト面ともに大きなリニューアルをスタートさせたそうで、取り組みから7年以上が経過し、新しい体制も軌道に乗ってきたのだとか。さっそく見学に行って、生まれ変わった病院の魅力を探ってきますね!
- 形 態
- 精神科病院
- 所在地
- 東京都葛飾区/金町駅
- 病床数
- 209床

玄関
JR線と京成電鉄が利用できる「金町駅」周辺は、下町情緒を今なお残しながら、都心へのアクセスもよく、上野や大手町までわずか30分足らずの利便性を誇るエリア。駅からバスに乗って約5分、静かな住宅街に「葛飾橋病院」がありました。迎えてくれたのは、看護副部長の折笠さんと、入職4年目の男性看護師の中野さん。「若い看護師も増え、活気あふれる病院に生まれ変わりました。見どころもたくさんですよ!」。


新棟
本館の隣には、一見病院っぽくない3階建ての建物が。これも病院の一部なんですか?「2013年に完成した新棟です。1Fに精神科デイケア、2Fに職員用保育室、3Fに会議室が入っています。保育室は、おやつ代(月額およそ500円)の自己負担のみで利用でき、保育料は無料なんですよ」と折笠さん。うわあ、それってかなり魅力的ですよね!


検査室
最初にご案内いただいたのは検査室。中野さんは、何やら見慣れない機器を手にしていますが…?「これは、2015年に導入された “光トポグラフィー検査”に使用する医療機器なんです。脳の状態を測定し、血流パターンによって、精神疾患を分類する機械で、主にうつ病の診断に使用しています。すべてのうつ病診断に使用しているわけではないのですが、通常の診断と併用することで、診断が早く確実になることが、この機械のメリットなんですよ」。


閉鎖病棟ナースステーション
つづいて閉鎖病棟で、看護助手のお2人を紹介していただきました。看護助手さんも多く活躍しているんですか?「はい。閉鎖病棟には10名程配置し、患者様の身体介助や日常生活支援を担っています。看護助手は、無資格・未経験者も大歓迎なので、働くスタッフの年齢・キャリアはさまざま。こちらの2人はヘルパー2級(現・初任者研修)の資格を持っていて、入職10年以上のベテランなので、新人さんの教育係として活躍しているんですよ」と、折笠さん。


1F退院支援病棟ナースステーション
「こちらは患者様の服薬情報です。服薬の大切さを伝える“服薬モジュール”という活動を行って、しっかりと服薬管理に力を入れています」と折笠さん。「それと並行して、“メロンの会”という、患者様に疾患と服薬の関連性を伝える活動も実施しています。薬剤師と看護師が共同で2つの活動を連動させることで、患者様が退院後も自分で服薬管理ができるように働きかけているんですよ」。


2F男性専門病棟ナースステーション
ナースステーション内に、ずいぶん大きなモニターがあるんですね。「急性期の患者様をいつも誰かが直接見守ることは物理的に不可能なので、このモニターで、患者様の状況を観察できるようにしています」と中野さん。「身体拘束や行動制限を最小限に抑えたいので、見守りがしやすいモニターには助けられているんですよ」。患者様と職員の安心・安全を守るために、いろいろ工夫されているのですね。


3F女性専門病棟ナースステーション
3階の女性専門病棟のナースステーションでは、たくさんの若い女性看護師さんたちが出迎えてくれました。「2012年からスタートしたハード面・ソフト面双方のリニューアルによる一番大きな変化は、若い看護師が増えたことなんです。以前と比べて平均年齢もグンと下がりました。若い人が増えると、職場がより明るくなって活気もいっぱい。すごく働きやすい職場ですよ」と折笠さん。


3F女性専門病棟ナースステーション
育児中の看護師さんもご紹介いただきました。5才と2才の双子ちゃんの計3人を育てながら、仕事を続けているとのこと。ママさん目線で見て、職場のどんなところが魅力的ですか?「勤務時間は9:00〜17:00で、残業はほとんどゼロ(月1時間程度)。勉強会やカンファレンスも勤務時間内なので、とても助かっています」と看護師さん。折笠さんご自身も2人のお子さんがいらっしゃるそうです。


看護部長室
つづいて看護部長室で、板倉看護部長にお会いしました。「部長は、看護部全体の取りまとめはもちろん、現場からの相談にしっかり応えてくれて、人材育成にも力を入れている、頼れる看護部長なんです」と折笠さん。ときどき地域の看護学校に講師として出向くこともあるんだとか。なお、部長と折笠さんは精神科認定看護師の資格も所持しているそうで、高い専門知識を持つ先輩がいると、仕事への意欲がアップしますよね!


談話スペース
談話スペースには、お話合いをされている数組が。「職員と患者様とそのご家族が話し合いをしています。当院では、1人の患者様を1人の看護師が一貫して受け持つ看護形式「プライマリーナーシング」を導入していて、ご家族を含めた個別ケアを実施しているので、よくこうした話し合いを行っています」と折笠さん。「プライマリーナーシングには人員が必要なので、ここ数年で、20名以上看護師を増やしました」。それはすごい!


体育館
最後は病院の目の前にある、病院所有の体育館へ。本格的な体育館ですね。「普段は患者様の運動のために利用しているのですが、定時の17:00を過ぎると、私たち看護師や、ドクター、コメディカルがバレーボールなどをするんです。一度一緒に汗を流せば、新人さんもすぐにチームメイトです」。なるほど、スポーツを通じて、距離を縮めているのですね!今日は本当にありがとうございました。

帰り道

――お疲れさまでした。取り組みの成果、いかがでしたか?
- 若い看護師さんがとても多くて驚きました。歴史の長い病院は、昔からのルールや人間関係ができあがっていて、新人には馴染みづらいイメージがありますが、ここはそんな印象はまったく受けませんでした。人材の入れ替えも含め、取り組みがうまくいっているのでしょうね。
――なるほど、大規模なリニューアルが、とてもいい成果につながっているようですね。
- 退院支援活動にも力を入れていますし、精神科ならではの看護の幅がとても広がる環境だという印象を受けました。退院支援に関しては、今後もより短期で退院できるよう、患者様やご家族と一緒に取り組んでいくとのことでした。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 築60年以上の建物なので歴史を感じる部分はあります。でも、メンテナンスが行き届いていますし、これからも院内のリニューアルはどんどんすすめていくそうですよ。
――最後に、ここだけの話を教えてください。
- 病院の前の体育館では、昼休みにトレーニングウエアに着替えてスポーツに汗を流すドクターが多いそうです。休憩時間はしっかり休む、が徹底されている環境だからこそできることですよね!
新たな取り組みにも積極的な、精神科の看護に興味がある方
子育て中でも安心して働ける環境が整っている病院を探している方