
認知症ケアは、看護師・介護職にとって強みとなる専門スキル。高齢化が進む今、認知症について深く学びたい方は増えていますよね。埼玉県春日部市にある認知症専門病院「武里病院」では、認知症の専門教育はもちろん、子育て支援や休暇制度、福利厚生面も充実させて、働くスタッフを大切にしているそうです。未経験から認知症看護・介護に携わりたい方も大歓迎とのことなので、さっそく見学に行って働く魅力を見つけてきます!
- 形 態
- 認知症専門病院
- 所在地
- 埼玉県春日部市/春日部駅
- 病床数
- 274床(医療214床、介護医療院60床)


玄関
武里病院へのアクセスは、「春日部駅」西口から10分ほどバスに乗り、「かすかべ湯元温泉」バス停で下車して徒歩3分。駅から少し離れていますが、公共バスの本数が多く、マイカー通勤もOKとのこと。玄関では、看護主任さんが笑顔で迎えてくれました。「ようこそ!当院では現在、より魅力的な職場を目指して『働き方改革』を進めていて、多様な人材の活躍を推進しています。今日はゆっくり見学していってくださいね」。


病棟
まずは、看護師長にお会いしました。こちらの病院では、認知症に関する専門的な学びができるそうですね。「ええ、認知症患者様の症状に応じたケアを提供できるよう、274床の入院設備を5つの機能に分け、早期治療から合併症管理、慢性期の療養支援まで幅広く対応しています。2022年に介護保険適用病棟の一部を介護医療院60床に転換したため、看護師だけでなく介護スタッフの採用・教育にも力を注いでいるんですよ」と、看護師長。


病室
お次は、病室へ。認知症ケアの魅力はどんなところですか?「認知症患者様と接したことがない方は、最初は戸惑うことも多いかもしれません。でも、専門知識を身に付けた上で向き合っていくと、穏やかになったり、笑顔が増えたり、関わり方次第でこんなに変わるんだな~と実感するはず。当院の職員定着率は非常に高く、どの職種も認知症ケアにやりがいを感じながら働いています」と、看護主任。


廊下
「当院は特定技能外国人の受け入れにも積極的で、タイ・ベトナム・ミャンマーなどから来日した外国人スタッフが約50名活躍しています(2025年3月)」と、紹介していただきました。「仕事に前向きで向上心の高い実習生ばかりで、当院で働きながら介護福祉士や看護師資格を取得した方も複数名います。当院にはキャリア支援として資格取得支援制度があり、日本人スタッフも含めて介護スタッフの資格保有率は高いです」。


スタッフステーション
スタッフステーションに伺い、新入職員への指導風景を見学しました。「入職後は、業務に慣れるまでサポート役の先輩が付き、こんなふうに1対1の丁寧なOJTを行っています。また、入職時には新人オリエンテーションがあるほか、認知症に関する講義や病棟ごとの勉強会、各委員会による研修などが定期開催され、学びの機会が充実しているのも魅力です」。職場のパソコンや個人のスマホから学べるオンライン研修も導入されているのだとか。


病室
つづいて、介護スタッフさんの仕事風景を見学しました。「入院患者様は自立度が高い軽介助の方から寝たきりの全介助の方まで幅広く、認知症の進行度もさまざまなので、知識・技術の幅が広がります。私は無資格・未経験で入職後、働きながら実務者研修に通って介護福祉士資格を取得し、昨年から副主任を任されているんですよ」と、介護スタッフさん。資格取得の際は、研修に合わせた勤務調整や国家試験対策なども行ってもらえるそうです。


老健みどり
併設の関連施設「老健みどり」に伺うと、スタッフのみなさんが迎えてくれました。「当施設は、武里病院の入院患者様で症状が比較的軽度な方を施設退院に導くために誕生した、認知症ケアに特化した老健です。従来型のA棟・B棟と、ユニット型のC棟で構成されていて、武里病院や認知症疾患医療センターとはもちろん、地域の多様な関連施設と連携体制を築いています」と、皆さん。


園芸療法の様子
つづいて、OTさんが中心となって行う園芸療法の様子を見学しました。「病院周辺は自然に恵まれていて、いろいろな種類の野菜・果物がよく育ちます。今年の夏はスイカの栽培に成功したので、患者様と一緒に美味しくいただきました。趣味活動や、生活の豊かさを重視したサービスを提供できるのも、認知症専門病院ならではの魅力。毎日本当に穏やかな雰囲気の中で、患者様とじっくり向き合うことができるんですよ」。


休憩室
各病棟の休憩室はゆったりとしたスペースで、冷蔵庫・電子レンジ・ポットなどが備えられています。「みんながきちんと休憩に入れるように声をかけ合っているので、日勤時のお昼休憩も、夜勤時の仮眠休憩もしっかり取れています。スケジュール通りに業務が進みやすい職場なので、残業もほとんどなく、オンとオフのメリハリを持って働くことができています」と、看護主任。


廊下
お次は、子育て中の看護師さん達にお会いしました。「当院の子育て支援は手厚く、どの職種にも働くママ・パパが在籍しています。子どもが小さいうちは日勤常勤・時短勤務・パート勤務の選択もOKで、日勤常勤の場合は土日祝か日祝を固定休にすることも可能です。上司が子育てに協力的なので、子どもの行事にも参加しやすいですし、子どもの急な体調不良による勤務変更にも理解があって助かっています」と、皆さん。


廊下
最後は、多職種の皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「働き方改革の一環として、2024年度より年間休日が110日から120日に増え、有休取得率も約90%を達成していてとても働きやすいです。福利厚生として、近隣に複数の職員寮を用意し、引っ越し費用の援助(紹介会社利用を除く)も行っているため、遠方からの入職も安心ですよ」。魅力的な職場ですね。今日はありがとうございました。

帰り道

- ――お疲れさまでした。スタッフを大事にしている認知症専門病院、いかがでしたか?
- より魅力的な職場を目指して、数年前から働き方改革に着手し、ベースアップ評価手当の支給や、公休日数の増加、遠方からの入職者の引越費用援助(紹介会社利用除く)や寮の提供など、さまざまな働きやすさを実現しています。毎日ほぼ定時退勤が可能で、有休取得率も高く、スタッフ一人ひとりの勤務希望にも可能な限り応えているそうで、長く定着しているスタッフの方がたくさんいました。
- ――認知症看護・介護の経験がなくても、活躍できる職場でしたか?
- はい。入職後に認知症に関する専門知識を身に付けられるように、教育制度が整っています。定期的な院内研修の開催があるだけでなく、外部研修にも積極的に参加可能で、「外部研修の費用負担制度」が設けられていました。また、キャリア支援も充実していて、働きながら介護福祉士資格を取得する介護スタッフさんも多いそうです。
- ――では、ここはちょっと、というところは?
- スタッフの皆さんは、認知症を理解して対応に慣れるまでが大変かも…とおっしゃっていました。でも、人間関係がとても温かい職場で、新人さんが慣れるまでの期間を病院全体でサポートしているそうで、「今仕事を楽しめているのは、先輩方のおかげ」という声を多く聞きましたよ!
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 院長がとてもスタッフ想いで、年間を通してスタッフの頑張りに感謝していこうと、お中元とお歳暮の時期には選べるギフトを用意しているとのこと。院長は毎日のように院内を回り、現場とのコミュニケーションを大切にしてるそうで、スタッフの皆さんから信頼を寄せられていました。
認知症ケアに興味があり、未経験からチャレンジしたい方
待遇・福利厚生が充実していて、年間休日120日の職場で働きたい方