循環器看護に興味があっても、専門病院は忙しそうなイメージがあり、入職を悩む方も多いのではないでしょうか。心臓リハビリを強みとする「あやせ循環器リハビリ病院」では、急性期の治療を終えた慢性心不全の患者様を中心に受け入れているとのこと。救急車の受け入れや手術などは関連施設で対応しているため、落ち着いた環境で循環器看護を学んでいけるのだとか。教育やキャリア支援が充実していて、未経験から循環器看護のエキスパートを目指すことができるらしいので、さっそく見学に行ってきます。
- 形 態
- 亜急性期・回復期病院
- 所在地
- 東京都足立区/北綾瀬駅
- 病床数
- 57床
玄関
「あやせ循環器リハビリ病院」へのアクセスは、東京メトロ千代田線「北綾瀬駅」から徒歩5分。駅前では大規模な再開発工事が進んでいて、2025年夏には、約50店舗のテナントが入るショッピングモールが開業予定なのだとか。玄関で迎えてくれたのは、入職16年目の看護師長さん。「ようこそ!看護部では、2024年夏のリニューアルオープンに向けて、新しい仲間を歓迎しています
。今日はゆっくり見学していってくださいね」。
受付
まずは受付で、運営母体の「医療法人社団 栄悠会」のパンフレットを見せていただきました。「栄悠会では当院のほかに、綾瀬循環器病院・あやせ循環器クリニック・ハートデイサービスセンターを運営していて、循環器領域に精通した医療のプロ集団として地域に貢献しています。看護部では綾瀬循環器病院と合同の教育委員会を設立し、共通の研修プログラムや認定看護師制度を確立して、循環器看護のエキスパートを育てているんですよ」。
工事現場
院内は、至るところでリニューアル工事が進んでいました。「工事は2024年夏に完了する予定で、病床を増やして新病棟をオープンするほか、透析室の開設や、事務部門・職員食堂などのリニューアルを計画しています。新病棟でもリハビリや退院支援が必要な慢性心不全の患者様を受け入れていく方針で、近年では入院患者様の高齢化が進んでいるため、生活支援を担う看護補助者も増員したいと考えています」。
心臓リハビリテーションセンター
1階の心臓リハビリテーションセンターには、専門病院ならではの心臓リハビリ機器が充実していました。「リハビリテーション科では、心臓病患者様の体力回復と再発予防を目標に、お一人おひとりに合わせたリハビリ計画を立て、こちらで心電図モニターを見ながら歩行・自転車こぎ・軽い筋トレなどを実施しています。当院の理学療法士は心臓リハビリの専門家ばかりで、患者様に関する相談がしやすくて、とても心強いです」と、看護師長。
病棟
病棟に伺うと、廊下でリハビリに励む患者様がいらっしゃいました。「ADLが低く、リハビリテーションセンターでの運動療法が難しい方もいらっしゃるため、病棟内でもリハビリに取り組みやすい環境を用意し、病室のベッドサイドでリハビリを行うこともあります。慢性心不全の患者様の場合、過度な安静が悪影響を及ぼすこともあるため、無理のない運動で筋力低下を防ぐことが重要なんですよ」と、看護師長。
病棟
「こちらは、『心不全療養指導士』の資格を取得した看護師です。3人のお子さんを持つママさんで、仕事と育児を両立しながら試験勉強に励んでいました」と、紹介してくれました。「私は9年の育児ブランクから復職し、目標の資格も取得できました。子育てに理解のある職場なので、毎日ほぼ定時に退勤させてもらえて、土日休みのシフトを組んでもらえているため、子育て中も無理なくスキルアップに励むことができます」と、ママさん。
病室
病室では、看護師さんが患者様と向き合っていました。「循環器内科や心臓血管外科は忙しいイメージのある診療科ですが、当院の患者様は急性期の治療を終えた方が中心で、比較的容態は安定しています。救急の受け入れや急性期の治療は綾瀬循環器病院で行い、当院は後方支援の役割を担っているため、患者様お一人おひとりとじっくり向き合い、退院支援に向けた関わりも丁寧にできるんです」と、看護師さん。
スタッフステーション
お次はスタッフステーションに行き、新人指導の様子を見学させていただきました。「入職後は、業務に慣れるまでサポート役の先輩が付き、こんなふうにマンツーマンのOJTを実施しています。看護部には30代~40代の中堅層が多く、きめ細かい指導が行われているので、循環器看護が未経験の方や、卒後年数の浅い第二新卒の方なども着実に専門性を身に付けることができます」と、看護師長。それは安心です。
研修写真
「こちらは、先日開催した研修の写真です」と、紹介してくれました。「スキルアップ支援として、院内研修や綾瀬循環器病院との合同勉強会を定期開催していえるほか、業務貢献につながる外部研修への参加も促し、認定看護師などの資格取得もバックアップしています」と、看護師長。法人内には、診療看護師・集中ケア認定看護師・特定行為研修修了者などのスペシャリストが複数活躍しているそうです。
デイルーム
デイルームでは、多職種カンファレンスが始まりました。「心不全のチーム医療を推進する当院では、このように医師・看護師・理学療法士・ソーシャルワーカー・薬剤師・管理栄養士などの専門職が集まり、患者様ごとの治療や退院支援の方針について検討しています。近年では、退院後の生活まで支えていけるように訪問看護事業をスタートし、訪問看護師との連携も大切にしているんですよ」と、皆さん。
病棟
最後は、スタッフの皆さんが集まってくれました。働きやすさはどうですか?「希望休が通りやすく、心疾患の発症が少ない暖かい季節は残業が少ないため、とても働きやすいです。当院には循環器看護が未経験の方でもマイペースに成長していける環境があり、結婚・出産後も安心して仕事を続けやすいです」と、皆さん。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。心臓リハビリに特化した専門病院、いかがでしたか。
- 関連施設の「綾瀬循環器病院」の後方支援を担っているため、入院患者様の7~8割は綾瀬循環器病院から転院された方だそうです。ただ今後は、増床して新病棟をオープンする予定なので、地域からの入院の受け入れも増えていく可能性があるとのこと。新病棟は、看護師の人数が揃い次第オープン予定だそうで、スタッフの採用にとても力を注いでいます。
――循環器看護が未経験でも働けるでしょうか?
- はい、未経験でも大丈夫です。現在働くスタッフの皆さんも、循環器未経験で入職された方が多く、中には他科から卒後2年目で入職した方や、長いブランクから復職した方なども活躍していました。入職後のOJT体制や、院内外の研修に参加しやすい環境が整っているほか、eラーニングも導入されているため、自己学習にも取り組みやすいです。
――では、ここはちょっと、というところは?
- 心臓リハビリの専門病院なので、一般的な回復期リハビリテーション病院を想像して入職すると、ギャップを感じるかもしれません。平均在院日数は17日で、1カ月以内に退院される方がほとんどなのだとか。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします。
- 社員食堂では、スタッフの要望を聞きながら、ハロウィン・クリスマス・バレンタインなどのイベント食や、韓国料理・ベトナム料理・地方メニューなどのリクエストメニューを充実させていて、とても人気があるそうです。現在は工事中のため、再開を待ちわびているスタッフさんがたくさんいるそうですよ。
未経験から循環器看護のエキスパートを目指したい方
心臓リハビリに興味があり、他職種とチームを組んで働きたい方