13|こんなにある看護師の働き方! 職場の種類と仕事について解説

2023年12月23日

看護師の働き方と職場

こんなにある看護師の働き方! 職場の種類と仕事について解説

看護師は全国で約120万人(2018年末)いると言われ、その多くは病院に勤務しています。看護師という仕事は社会的なニーズが高い職業ですので、病院以外にも働き方の選択肢はたくさんあります。

そのため、自分で希望する職場を選べるとともに、ライフスタイルに合ったキャリアを積むことが可能です。この記事では、看護師の多様な働き方を知るために、職場の種類や仕事内容について解説します。

ページ目次

看護師の勤務先とその割合

厚生労働省の資料によると、2018年末時点で約120万人いる看護師のうち、73.9%が病院に勤務しています。ほかの就業先では、多い順に、診療所11.2%、介護保険施設等6.5%、訪問看護ステーション4.0%となっています。

看護師の勤務先は、その他にも「社会福祉施設」「保健所」「助産所」「学校・養成所」「一般企業(産業看護師)」などがあり、働く場所はさまざまな選択肢があります。

【参考】:厚生労働省 2018年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

看護師の主な職場の種類と仕事内容

看護師の働き方を考える際の参考として、主な職場と仕事内容、そこで働くメリット・デメリットを見ていきましょう。

大学病院

大学病院は、国立・私立などの大学や研究機関の附属病院として位置付けられています。「最先端の医療」「高度な医療技術」が提供されており、専門的な診療が行われています。

大学病院は、診療科は細分化されており、看護師はその科目に応じた仕事に従事することになります。そこでの主な仕事は、検温、脈拍測定、投薬、巡回、患者の身の回りのケア、記録などがあります。院内に研修医が多いせいもあって、看護師がおこなう採血・注射などの医療行為は限られる傾向にあります。

大学病院は、教育・研究機関ですので、そこで働く看護師に対して、研修・勉強会などの教育サポートがしっかり行われます。最新の医療技術や知識を習得する環境が用意されているため、ある分野に特化した高い専門性を身につけることができるでしょう。

大学病院は一般的に仕事は多忙です。救急、外来への対応とともに、重い疾患を抱えた患者さんも多いため、24時間体制で急な容態変化へ備えなくてはなりません。仕事のストレスや負荷は看護師の仕事の中で最も多いと言われています。

一般病院

病院とは、20床以上の病床を有する医療機関を指します。一般病院は運営する機関によって診療科の数や規模はさまざまです。ある程度の規模の病院になると、病棟看護師、外来看護師と明確に仕事が別れます。また、多くの診療科がある大病院では、看護師の仕事は担当する科によって変わります。

一般病院の看護師の仕事は、各種測定、診察補助、注射、採血、投薬など看護全般を担います。病棟看護師の場合は、24時間を交代制で看護を行います。一般病院は、大学病院と比べて看護師が行える医療行為は多くなるため、現場でさまざまな経験を積むことができます。さらに、院内教育制度が充実している病院であれば、スキルアップも期待できるでしょう。

小規模の病院の場合は、外来、病棟のどちらの仕事も受け持つケースがあります。さまざまな患者への対応が必要になりますので、そこで働く看護師にはスペシャリストよりもゼネラリスト的な役割を求められる傾向にあります。一般病院は大学病院ほど激務ではありませんが、外来・病棟勤務・診療科目によっては、仕事の忙しさに差があります。

クリニック(診療所)

看護師の働き方 クリニック

クリニックは開業医が開いた医療機関で、「病床数が19以下」「無床診療所」のことですが、その多くは外来診療です。病院よりも仕事の範囲は幅広くなり、通常の看護業務に加えて、診察の準備から片付け、事務作業などの仕事を行うこともあります。美容外科クリニックなどでは、美容関連商品の販売業務を任されることもあるでしょう。

クリニックは少ない従業員での運営になりますので、看護師に求められる役割は多岐にわたります。また、少ないスタッフだからこそ、看護師には即戦力として働くことが求められます。クリニックは、一緒に働く医師や他のスタッフ、患者さんとの距離も近いため、自分が興味ある診療分野であれば、やりがいを持って働くことができます。

外来メインのクリニックは入院設備がないため、看護師の仕事は日勤のみになりますので、夜勤がある病院と比べて体力的には楽に働くことができます。夜勤がなく残業も比較的少ない分、ワークライフバランスを取りやすい職場と言えるでしょう。

介護保険施設

介護保険施設とは、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」などの施設のことです。ここでの看護師の主な仕事は、介護保険で「要介護認定」を受けて入所・通所される高齢の利用者への生活支援になります。利用者の「健康管理」「投薬管理」を行うことが主な業務となります。

実際の業務では「介護職員」「医師」との連携が必要になります。さらには利用者やその家族と接する機会が多くなるため、コミュニケーション能力が求められます。

介護保険施設は、日常における仕事の忙しさや負担はさほど多くありませんが、「緊急時の対応」や「常駐の医師がいない」という場合には、そこで求められる責任は大きくなります。

介護保険施設は、看護や医療行為は限られるため、看護師としてのスキルアップはあまり望めません。ただし、仕事は病院に比べて忙しくありません。残業も比較的少ないため働きやすい職場は多いでしょう。

訪問看護ステーション

看護師の働き方 訪問看護ステーション

病院以外の看護師の働き方として注目されているのが、訪問看護ステーションの仕事です。2019年4月時点で稼働している訪問看護ステーションは全国で11,161施設あり、その施設数は年々増加しています。 

【参考】:全国訪問看護事業協会「2019年訪問看護ステーション数調査結果

訪問看護ステーションは、終末期看護・がん看護・精神科看護などの利用者の方がいます。看護師の仕事は、主治医の指示のもと、利用者の住まいに訪問し看護サービスを提供します。

看護師は基本的に一人で訪問し、医療処置(注射、点滴、測定、記録など)を行うとともに、利用者の状態を観察し、適切なアドバイスをおこないます。また、食事、排泄、機能回復訓練などもその仕事に含まれます

訪問看護は、医師、介護士、薬剤師など多職種と様々な連携が必要になります。また、利用者、家族へのメンタルサポートも仕事をする上で不可欠です。訪問看護師は、コミュニケーションスキルとともに、ある程度の経験と技術が求められます。

訪問看護ステーションは基本夜勤の仕事はありませんが、24時間対応の場合はオンコール当番があります。また、人材不足の事業所では、休みが取りにくい状況になることがあるかもしれません。

知的・身体・精神障害者支援施設、児童福祉施設

知的・身体・精神障害者支援施設は、障害者に対して障害福祉サービスを提供する施設のことです。施設の形態は、入所型・ショートステイ・グループホーム型・訪問型などがあります。

看護師の仕事内容は、働く施設によって異なります。また、利用者の「介護度」「重症度」「身体・精神の障害」によっても変わってきます。いずれの職場も、看護師の仕事は介護の側面が強くなります。

児童福祉施設の場合は、病気予防の観点から子どもの「衛生管理」「健康管理」、さらにはケガ・病気への処置が主な仕事内容になります。

施設の仕事は、人によって、合う合わないがあるかもしれません。また、全体的に医療行為が少ないため、看護師としてのスキルアップをはかるのは難しいでしょう。

しかし、人とコミュニケーションを取ることが好きであったり、体力に自信がある人には向いている職場といえます。残業や夜勤が無い施設が多いため、ワークライフバランスは取りやすくなるでしょう。

保健所・保健センター

保健所や保健センターのような、地域の人々の健康を支援する場所にも看護師としての活躍の場があります。看護師の主な仕事内容は、地域の人々の健康相談や家庭訪問、健康診断、予防接種の実施などがあります。病気の看護というよりも、予防看護が中心の仕事になります。

保健所・保険センターは、地方自治体が運営しており、そこで働くには地方公務員として勤務することになります。公務員ですので、夜勤はなく残業も少なめで、安定した条件で働くことができます。しかし、保健所は人気の職場です。保健所には保健師が働いていることが多く、看護師の採用枠は狭き門となっています。

看護大学・看護専門学校の教員職

看護師には、看護大学や専門学校の教員として働くという選択肢があります。自身が看護師として学んできたことや経験してきたことを、看護師を目指す学生に教えるという教育の仕事です。しかし、看護師免許があれば誰でも教員を目指せるわけではなく、学位や経験などの条件があります。

そこでの仕事は、看護大学、看護専門学校などの教育機関で実習指導教員として、一定期間のみサポート業務をおこなったり、教員免許を取得したら、専任教員として講義や実習の指導をおこないます。

仕事内容は臨床の看護師とは異なりますが、「教育者」としてやりがいを得られる仕事といえるでしょう。ただし、専任教員になると講義や演習の準備や試験・成績に関する業務などで時間外労働が増える傾向があります。

まとめ

看護師の主な職場の種類と仕事についてご説明しました。看護師は、病院、クリニック、施設、大学・専門学校など様々な職場でいろいろな働き方ができるのが強みです。看護師という国家資格はキャリアやライフプランを考えるにあたって非常に有利に働くことが分かります。

その強みを最大限に生かし、ご自身のライフサイクルに合った働き方を選択するためには、看護師の多様な働き方を知り、視野を広く持つことが大切です。

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