看護師の勤務時間は2交替制と3交替制ではこんなに違うの?

2023年12月23日

看護師 勤務時間

看護師の勤務時間は2交替制と3交替制ではこんなに違うの?

看護師の勤務時間や勤務体制(シフト)は病院や病棟によって、それぞれ違いますので、他の病院はどのようになっているのか気になる方は多いと思います。また、看護師の方の中には、「夜勤が体力的につらくなったので、働く勤務時間を変えたい」とお考えになる方も多いようです。

病棟で働く看護師の一般的な勤務時間、勤務スケジュールを2交替制・3交替制ごとに解説します。転職を考えている方や、今の自分の職場と比較してみたい方は参考になさってください。

ページ目次

1.病院看護師の勤務時間・勤務体制とは

はじめに病院看護師の一般的な勤務時間と勤務体制について見ていきましょう。

まず看護師の勤務時間は、日勤と夜勤を組み合わせて毎月の勤務体制(シフト)が組まれます。日勤は、朝の8時間から17時までで、途中1時間のお昼休憩をはさんで8時間勤務します。夜勤は、労働基準法の深夜労働時間帯(午後10時から午前5時)を含む勤務であり、準夜勤(16時から24時半)と深夜勤(24時~8時半)があります。

そして、医療機関や各病棟は、2交替制あるいは3交替制と、それぞれの病院にあった勤務時間と勤務体制を採用します。交替制の勤務時間は以下のようになります。

2交替制

日勤8:00~17:00 (8時間勤務)
夜勤16:30~9:00 (16時間勤務・休憩2~3時間)

3交替制

日勤8:00~16:30 (8時間勤務)
準夜勤16:00~24:30 (8時間勤務)
夜勤24:00~8:30 (8時間勤務)

2.看護師の勤務体制は2交替制・3交替制、どちらが多いの?

病院や病棟は、実際には2交替制・3交替制のどちらをより多く採用しているのでしょうか。

2019年度の調査によると、2交替制のみの施設が20.9%、3交替制のみが42.8%、2交替と3交替が混合している施設が36.3%となっています。

病棟単位でみると2交替病棟は全体の39.3%で、3交替制病棟は60.7%でした。2006年以降2交替制を採用する病棟は増えてきましたが、それでも2交替制の病棟が4割、3交替制が6割という割合はあまり変わっていない状況です。

【参考】:2019年度夜勤実態調査結果」医療労働

次に看護師の勤務時間はどのようになっているのか?2交替制と3交替制のそれぞれのスケジュール例をもとに見ていきましょう。

3.「2交替制」の看護師の勤務時間とスケジュール

看護師 勤務時間 2交替制

2交替制は、勤務を日勤と夜勤に分けた勤務体制です。以前は日勤と夜勤を均等に12時間に分けた勤務体制が多かったのですが、現在は日勤を8時間、夜勤を16時間に分ける「変則2交替制」を導入する病院が多くなっています。
当記事では、変則2交替制を2交替制としてご説明します。

2交替制の日勤と夜勤のスケジュールをご紹介します。

日勤の勤務時間とスケジュール例 (8:00~17:00)

8:00勤務開始、カルテ確認、情報収集
8:30夜勤看護師からの申し送りと引き継ぎ(病棟・各チームごと)
9:00点滴準備、検査準備など
10:00病棟ラウンド、バイタルサイン測定、点滴交換、処置、検査・手術送り出し、排泄介助、入浴介助など
11:30休憩(交替で食事)
12:00昼食配膳、食事介助
12:30配薬、口腔ケア
13:00手術や検査への移送や受け入れ
14:00記録、バイタルサイン測定、入院患者対応
16:00点滴準備や交換など
16:30日勤看護師への申し送り
17:00勤務終了

夜勤の勤務時間とスケジュール例 (16:30~9:00)

16:30勤務開始、日勤看護師からの申し送り(病棟・各チームごと)
17:30ラウンド、記録確認・整理、点滴交換など
18:00配膳・食事介助
19:00バイタルサイン測定、点滴交換、排泄介助、体位交換など
20:00休憩(交替で食事)
21:00消灯、ラウンド、点滴交換、排泄介助、体位交換など
2:00休憩(交替で仮眠)
4:00ラウンド、点滴交換、排泄介助、体位交換など
6:00起床、バイタルサイン測定、採血、点滴交換、洗面介助など
7:00配膳、食事介助
7:30配薬、口腔ケア
8:30日勤看護師への引き継ぎ、記録
9:00勤務終了

2交替制は、このように夜勤時間が長くなるのが特徴です。病棟にもよりますが、1回の夜勤を3人の看護師で担当することが多くなります。
途中、それぞれ交替で2~3時間の休憩が入りますが、患者の急変や緊急入院があるときには十分な休憩が取れないこともあります。

2交替制の勤務パターン

|日勤|夜勤|夜勤明け|休み|休み|日勤|日勤|

2交替制の一般的な勤務パターンは、夜勤明けの休みを2日連続で取ることができるのが特徴です。夜勤で長時間働くため、そのあとの休みで身体を回復させる必要があるためです。2交替制は、月の平均夜勤回数は約4回となっている病院が多いようです。また、3交替制と比較して夜勤回数は少なくなります。

2交替制のメリット・デメリット

2交替制のメリットは、日勤と夜勤という2つの勤務パターンだけになるため、生活のリズムが取りやすくなることがあげられます。また、夜勤で長時間働いた後は、翌日に休みが取れます。その次の日に有休を取得すれば、まとまった休みになるため、旅行、習い事、勉強などプライベートを充実させることができます。

デメリットとしては、夜勤が長時間になるため、「身体への負担が大きくなること」「長時間労働で集中力を維持するのが大変なこと」などがあげられます。

また、夜勤の合間には休憩や仮眠時間が設けられているものの、病棟の状況によっては十分な休みがとれないことがあります。年齢が若くて体力のある看護師ならば、長時間の夜勤もこなすことができますが、年齢を重ねるにつれて、2交替制の夜勤はきつく感じるようになるかもしれません。

4.「3交替制」の看護師の勤務時間とスケジュール

看護師 勤務時間 3交替制

3交替制は「日勤・準夜勤・深夜勤」の3つの時間帯の交替勤務になります。2交替制の夜勤が「準夜勤」と「深夜勤」の2つの勤務時間に分かれていると考えると分かりやすいでしょう。

日勤の勤務スケジュールは、2交替制と同じですので、ここでは準夜勤と深夜勤のスケジュール例をご紹介します。

準夜勤の勤務時間とスケジュール例 (16:00~24:30)

16:00勤務開始、日勤看護師からの申し送り(病棟・各チームごと)
16:30病棟ラウンド、カルテ整理・確認、点滴交換など
18:00配膳、食事介助
18:30配薬、口腔ケア
19:00バイタルサイン測定、点滴交換、排泄介助、体位交換など
20:00休憩(交替で食事)
21:00消灯、病棟ラウンド、点滴交換、排泄介助、体位交換など
22:00記録、点滴準備
23:00病棟ラウンド、点滴交換など
24:00深夜勤看護師への申し送り
24:30記録、勤務終了

深夜勤の勤務時間とスケジュール例 (24:00~8:30)

24:00勤務開始、深夜勤看護師からの引き継ぎ(病棟・各チームごと)
1:00病棟ラウンド、点滴交換、排泄介助、体位交換など
4:00休憩
5:00病棟ラウンド、点滴準備、排泄介助、体位交換など
6:00起床、バイタルサイン測定、点滴交換、洗面介助など
7:00配膳、食事介助
7:30配薬、口腔ケア
8:00日勤看護師への申し送り
8:30記録、勤務終了

3交替制の仕事は、一般的に深夜勤より準夜勤の方が忙しいケースが多くなります。日中に手術を受けた患者の状態観察や点滴交換業務などが、多くなる傾向があるためです。

3交替制の勤務パターン

|日勤|深夜勤|夜勤明け|日勤|準夜勤|準夜勤|休み|

3交替制の勤務は、2交替制に比べるとやや勤務サイクルが早く感じられることでしょう。3交替制は、ひと月の夜勤平均回数は7回ですが、約2割の看護師が月9回夜勤をしており、とくにICUやCCUなどの病棟では夜勤回数は多い傾向がみられます。

3交替制のメリット・デメリット

3交替制のメリットは、準夜勤・深夜勤それぞれの勤務時間が短くなることが大きいでしょう。長時間の夜勤がないため、その分、肉体的な疲労回復は早くなり、精神的な負担は少なくなると言われています。

一方でデメリットは、夜勤明けの休みが2交替に比べると短いこと、勤務パターンが複雑になるため生活リズムを整えにくいことがあげられます。また、勤務の間に休みを取りづらくなります。そのため、プライベートを充実させるには、さまざまな時間のやり繰りが必要になります。

また、通勤する回数が2交替制より増えますので、通勤時間が長くかかる人にとっては、通勤に要する時間が多くなります。また、1週間のうち6日間は職場に居ることになりますので、常に仕事をしている錯覚に陥ることもあるでしょう。

5.病院の勤務時間や勤務体制のチェックポイント

病院看護師として働く場合、職場の勤務体制や勤務時間は、そこで長く働き続けていけるかの重要なポイントといえるでしょう。また、転職を考えた場合にも同様のことが言えます。

転職を検討する際には、以下のような点を踏まえた上で、活動をすることをおすすめします。

【チェックポイント】
●看護師の勤務体制はどうなっているか(病棟ごとに異なることもあるので注意)
●2交替・3交替制の勤務時間、休憩や仮眠はどのくらい取れているのか
●準夜勤・深夜勤の勤務人数と受け持ち患者数の目安
●夜勤の勤務スケジュール
●月の勤務パターンと月の夜勤回数の平均
●夜勤の労働量と夜勤手当が見合っているかどうか

また、2交替制と3交替制では、そもそも、どちらが自分の「生活リズムに合っているのか」「体力的に負担が少ないか」を判断することが大切ではないでしょうか。

6.まとめ

夜勤や交替制勤務は、人間の生体リズムに合っていない働き方のため、看護師の心身への負担が大きいことは明らかです。しかし、病棟で働く常勤看護師は、交替勤務は避けられませんし、勤務時間は選べません。

そのため、交替勤務をしながらも、生活リズムを崩さずに「健康的に仕事をする」「プライベートも充実させる」ということが大切です。自分に合う勤務時間や勤務体制を採用している病院を選ぶことが充実した看護師ライフにつながります。

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