非常勤看護師の働き方とは?そのメリット・デメリット、常勤との違い

2023年12月23日

非常勤看護師 働き方

非常勤看護師の働き方とは? そのメリット・デメリット、常勤との違い

看護師の雇用形態は、主に「常勤」「非常勤」「派遣」の3種類があります。非常勤看護師とは、短時間勤務で働く看護師のことで、パートやアルバイトが該当します。

非常勤看護師の働き方にはどのような特徴があるのでしょうか。また、フルタイムで働く常勤看護師とは何が違うのでしょうか。この記事では、非常勤看護師のメリット・デメリットや常勤との違いなど、非常勤で働く看護師の仕事についてわかりやすくご紹介します。

ページ目次

1.非常勤看護師とは

非常勤看護師とは、「1週間の労働時間が40時間未満の短時間で働く看護師」のこと。いわゆるパートやアルバイトといった短時間勤務で働く看護師を指します。雇用契約は病院、クリニックなどの雇い主と直接交わします。

非常勤として働く場合、出勤日や時間帯をある程度自分の都合に合わせて調節できます。そのため、以下のような事情を持つ看護師の多くは非常勤の勤務形態で働いています。
○結婚・妊娠を機に
○子育て中
○親の介護が必要
○スキルアップを目指して勉強中
○趣味に時間を使いたい
○ブランクが心配
○常勤・夜勤は体力的にきつい

ただし、非常勤と言っても仕事内容はフルタイム勤務の看護師とほとんど変わりはなく、医師の診療や治療の補助、患者さんの心身のケアを行います。非常勤だからといって、看護業務においては仕事内容に違いが生じることはありません。

2.非常勤看護師のメリットとは

非常勤看護師として働くメリットは以下のとおりです。

仕事とプライベートの両立が可能

非常勤看護師は働く日数・時間を自分で調節できるため、仕事とプライベートの両立が可能です。このように非常勤は勤務時間をある程度選びながら働くことができるのが最大のメリットです。
例えば、育児や介護をしながら職場の勤務形態に合わせて働くのは難しいでしょう。しかし、非常勤であれば、自分の都合に合わせて柔軟に働くことができます。

残業や時間外出勤が少なめ

非常勤で働く場合、残業を求められることはほとんどありません。職場の状況によってはやむを得ないときもありますが、常勤看護師よりも早く帰ることができるでしょう。また、働いた分は時給で計算されるためサービス残業になることはありません。
勉強会や委員会などの時間外出勤を求められるケースも少なく、自分の予定や都合を優先して働くことができます。

責任が少ない

常勤看護師と違って、責任が重い仕事を任されることはありません。また、役職や管理職、責任者に任命されることもないでしょう。組織の中で大きなプレッシャーを受けることなく、看護の仕事だけに集中できるのは非常勤の大きなメリットです。

職場のトラブルに巻き込まれにくい

病院内の人間関係に悩む看護師は少なくありませんが、非常勤看護師は職場内や職員同士のトラブルに巻き込まれにくいのも大きなメリットです。
勤務時間内にしっかり業務に対応すれば、職場の煩わしいトラブルや人間関係に左右されることは少ないでしょう。

3.非常勤看護師のデメリットとは

非常勤看護師 デメリット

非常勤看護師として働くデメリットは以下のとおりです。

休みが多い月は収入が減る

非常勤として働く場合、基本的に給与は時給換算されて支払われます。よって、年末年始やお盆などで休みが多い月はシフトの数を増やすといった調節をしなければ、収入が大幅にダウンしてしまいます。
また、基本的にボーナスや退職金は支給されないため、常勤看護師と比べ給与水準が低くなるのは避けられないでしょう。

勤務条件によっては社会保険に加入できない

非常勤で働く場合、勤務条件によっては社会保険への加入ができません。社会保険へ加入するには所定の勤務日数や時間などの要件を満たす必要がありますが、短時間勤務の場合、その要件を満たさないケースがあります。
職場の社会保険に加入しておらず、配偶者の扶養に入っていない場合は、自分で国民健康保険や国民年金に加入し保険料を負担しなければなりません。

看護師としてのキャリアアップが望みにくい

非常勤看護師と常勤看護師を比べても仕事内容の違いはほとんどありません。非常勤であっても実務経験を積んでいくことは可能です。
しかし、病院側も非常勤には責任ある仕事は任せませんので、役職に就くといったキャリアアップを望むのは難しいでしょう。勉強会などへの参加も求められませんので、スキルアップもしづらくなります。

4.常勤看護師と非常勤看護師の違い

常勤看護師と非常勤看護師は、主に以下の4点に違いがあります。

勤務時間

常勤看護師は、1週間の労働時間が最大40時間のいわゆる「フルタイム」と呼ばれる働き方をしています。一方、非常勤看護師の労働時間は1週間で40時間未満です。

常勤看護師1週間で最大40時間
非常勤看護師1週間で40時間未満

なお、パートやアルバイトといった働き方であればすべて非常勤になるのではなく、常勤・非常勤の区分は労働時間によって決められるのが基本です。よって、正規職員ではないパートであっても、1週間の労働時間が40時間を超える場合は常勤扱いとなります。

給与体系

常勤看護師は月給として給与が支払われますが、非常勤は時給または日給で支給されます。その時給相場は1,300円~2,000円と一般のパートに比べて高給ですが、常勤看護師の給与にはおよびません。
また、ボーナスのある職場の場合、常勤看護師には規定どおり支給されますが、非常勤看護師にはほとんどありません。支給されても寸志程度なため、常勤と非常勤では給与水準に差が生じます。そのため、収入は大幅に減るのが一般的です。

社会保険

社会保険には、健康保険、年金保険、雇用保険、労災保険の4つがあります。これらの保険は労働日数や時間によって加入要件が決まっているため、短時間勤務が基本の非常勤看護師は要件を満たさない場合があります。
各種社会保険の種類とその加入要件は、下表を参考にしてください。

健康保険1週間の労働時間が正規職員(常勤)のおおむね3/4以上
1カ月の労働時間が正規職員(常勤)のおおむね3/4以上
厚生年金保険1週間の労働時間が正規職員(常勤)のおおむね3/4以上
1カ月の労働時間が正規職員(常勤)のおおむね3/4以上
雇用保険1週間の労働時間が20時間を超えていること
31日以上継続して働く見込みがあること
労災保険労働者であれば勤務形態を問わず対象となる
(保険料は全額雇用主が負担)

福利厚生

福利厚生は、社会保険などの必ず導入しなければならない「法定福利厚生」と、企業の判断で導入を検討する「法定外福利厚生」の2つに分けられます。法定外福利厚生には、通勤交通費や住宅手当、特別休暇、社員旅行などがあります。
法定外福利厚生に関しては、常勤看護師の方が手厚い待遇を受けられる可能性が高いです。しかし、非常勤看護師も常勤並みの福利厚生が受けられる職場も増えています。非常勤で働く場合は、職場の福利厚生についてもしっかり確認しておきましょう。

5.非常勤看護師はどこで働く? 求人が多い職場とは

非常勤看護師 職場

非常勤看護師が多く働く職場、求人件数が多い職場には、以下のようなものがあります。
○大学病院の外来
○クリニック
○老人ホーム
○訪問看護
○検診センター

大学病院の外来やクリニックは、即戦力となる看護師が求められます。しっかりとした経験がある人、これからスキルアップしていきたいという人に向いているでしょう。
一方、仕事のブランクがある人やスキル面で不安がある人は、技術や経験を求められるシーンが少ない老人ホームや訪問看護、検診センターが働きやすいでしょう。

6.非常勤看護師に向いている人とは

非常勤看護師に向いている人を整理すると、以下のような方が該当します。
○育児や介護との両立を目指したい人
○プライベートの時間を充実させたい人
○キャリアアップするために勉強する時間を持ちたい人
○看護師としてのブランクが長く、少しずつ仕事に慣れていきたい人

非常勤で働く場合、自分の都合に合わせて働く日時を選択しやすい利点があります。基本的に残業や時間外出勤もないため、育児や家事、趣味の時間との両立が可能です。また、再就職でブランクが空いた場合、短時間勤務から仕事に慣れていくといった働き方もできるでしょう。

7.非常勤看護師は他の仕事と掛け持ちできる?

非常勤で働く看護師の中には、空いた時間を有効に使うため「掛け持ち」を検討している人は多いと思います。正規職員ではないから、掛け持ちしても問題ないと考えがちですが、職場によっては禁止している病院もあります。
掛け持ちをしたい場合は、職場の上司への相談や就業規則の確認をすることをおすすめします。また、体力面や精神的な負担についても考慮しておく必要があります。

看護師が掛け持ちをする場合は、以下の点に注意しましょう。

掛け持ち可能か職場に確認する

掛け持ち禁止の職場の場合、黙って掛け持ちを始めると発覚したときに最悪解雇となる可能性もあります。他の仕事との掛け持ちが可能かどうか、必ず事前に職場へ確認しておきましょう。

体力的・精神的な負担を考慮する

働く日数や時間にもよりますが、仕事の掛け持ちは体力的にも精神的にも負担を伴います。看護師の仕事をしながら他の仕事も続けられるかどうか、自分の体力や気持ちをしっかりと考慮してから掛け持ちを検討しましょう。

8.まとめ

非常勤看護師は、家庭生活との両立がしやすく、プライベートの時間を充実させられるメリットがあります。一方で常勤看護師と比べると収入や福利厚生の面で不安定になるデメリットがあります。
働き方に悩む場合は、常勤・非常勤両方のメリットやデメリットを理解し、仕事をするうえで自分は何を重視するのか優先順位を考えてみるとよいでしょう。

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