2025年06月25日

救急看護師というと、救急搬送の現場で慌ただしく走り回る姿を思い浮かべるかもしれません。緊急を要する場面で命を預かるプレッシャーは想像を絶しますが、その分、患者さんの命を救う重要な役割を担っています。
この記事では、救急看護師や救急認定看護師が実際にどのような仕事をしているのか、1日のスケジュールや求められる資質、やりがいまで徹底解説します。「救急看護師になりたい!」「自分は救急看護師に向いているのか?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。
2.救急看護師の具体的な仕事内容とは?
―― 救命・救急処置
―― 医師が行う処置の補助
―― 問診・トリアージなどの初期対応
―― 患者さん・ご家族に寄り添う心のケア
3.救急看護師の1日のスケジュールを紹介!
4.救急看護師のやりがいと魅力とは?
―― 患者さんの命を救う瞬間に立ち会える
―― チーム医療の一員として貢献できる
―― 高度な知識とスキルが身につく
5.救急看護師はどんな人に向いているの?
―― 精神的なタフさを持つ人
―― 向上心があり、学び続ける意欲のある人
―― チームワークを大切にできる人
6.救急看護師になるには?
―― 未経験者が救急看護を行う部署に配属されることは少ない
7.救急看護師の求人を探す際のポイントとは?
―― 研修制度や教育体制の充実度
―― 夜勤体制やワークライフバランス
―― 給与水準と福利厚生
8.医療21では様々な求人情報を掲載!
9.まとめ:救急看護師として、あなたの可能性を広げよう!
救急看護師は忙しそうなイメージ?
「救急の現場=慌ただしい」「ドラマのように絶え間なく急患が運ばれてくる」といった印象をお持ちの方も多いでしょう。確かに救急看護師は、予測できない状況で次々と患者さんに対応するため、非常に忙しい職種です。心肺停止や重篤な外傷、緊急手術が必要な患者さんなど、1分1秒を争う状況に立ち会うことも珍しくありません。
一方で、実際の現場では、チームで急患に対応する体制を構築し、効率的に分担・協力し合うことで、負担を可能な限り軽減しています。救急看護師や救急認定看護師は、緊迫した現場でも冷静に優先順位を見極め、的確に動ける専門職として、現場の要となっているのです。
救急看護師の具体的な仕事内容とは?
救急看護師の現場は、まさに命の最前線です。患者さんの容体は一刻ごとに変化し、対応には高度な判断力と技術が求められます。ここでは、救急看護師や救急認定看護師が日々担う具体的な4つの業務内容についてご紹介します。
救命・救急処置
救急看護師は、まず心肺停止時の心肺蘇生や気道確保、止血や包帯など、迅速な救急処置を担当します。また、患者さんの状態に応じて採血や点滴、バイタルサインの測定といった医療的ケアも重要な業務です。
救急の現場では、疾患や外傷の内容、重症度は千差万別です。限られた時間と情報の中で、患者さんの状態を瞬時に評価し、必要な処置を見極めるスキルが必須となります。特に救急認定看護師は、複数の重症患者が同時に運ばれてくる場合などでも冷静に優先順位を判断する、現場の司令塔という役割が求められます。
医師が行う処置の補助
救急の現場では、医師が行う挿管や緊急処置、検査や処方の場面も多く、その際に救急看護師が迅速なサポートを担います。たとえば挿管や点滴の準備、器具や薬剤の手配、患者さんの体位管理など、医師がスムーズに医療行為を実施できるよう、常に先回りして行動することが求められます。
救急看護師や救急認定看護師は、医師の一挙手一投足を観察し、次に必要な手順を予測する力が不可欠です。処置の流れを理解し、即座に的確なサポートを行うことで、現場全体の安全性・効率性を高めています。
問診・トリアージなどの初期対応
搬送されてきた患者さんの中には、病状が急変するリスクが高い方も多くいます。救急看護師は、受け入れ時に症状や既往歴、アレルギーの有無などを詳細にヒアリング(問診)し、トリアージ(緊急度・重症度判定)を実施します。
限られた時間と情報の中で、適切な診療科や処置の優先順位を判断する役割は、まさに救急看護師の専門性が発揮される瞬間です。トリアージの判断ひとつで、その後の患者さんの命運が大きく左右されることもあるため、冷静かつ的確な対応が求められます。
患者さん・ご家族に寄り添う心のケア
救急の現場では、患者さんやご家族が突然のケガや病気に直面し、不安や動揺、悲しみに打ちひしがれている場面も多々あります。救急看護師は、病状の説明や今後の治療方針、必要なサポートを丁寧に伝えることで、患者さんやご家族の心に寄り添います。
身体的なケアだけでなく、精神的なサポートや配慮も救急看護師の大切な役割です。相手の立場や気持ちを想像し、状況に応じた声かけや説明を心がけることで、安心して治療に臨んでもらうことができます。
救急看護師の1日のスケジュールを紹介!
救急看護師の1日は分単位で目まぐるしく動きます。ここでは、日勤と夜勤のスケジュールを例に、その流れをご紹介します。
<日勤の一例>
時間 | 救急看護師の日勤の業務スケジュール |
---|---|
8:30 | 業務開始 夜勤からの申し送り |
9:00 | 物品チェック・環境整備 救急カートや必要物品、滅菌物品のチェック 迅速な受け入れができるように環境整備 ※救急対応で確認できない場合は状況に合わせて適宜チェックする |
随時 | 搬送・来院患者さんの対応 初期対応やトリアージ 救急・救命処置 医師の補助 患者さんと家族の対応 看護記録の記入 |
12:30 | 交代で休憩 ※休憩時間がずれ込むことも。 |
随時 | 搬送・来院患者さんの対応 初期対応やトリアージ 救急・救命処置 医師の補助 患者さんと家族の対応 看護記録の記入 |
17:30 | 業務終了 夜勤者へ申し送り |
<夜勤の一例>
時間 | 救急看護師の夜勤の業務スケジュール |
---|---|
17:30 | 業務開始 日勤者からの申し送り |
18:00 | 物品チェック・環境整備 救急カートや必要物品、滅菌物品のチェック 迅速な受け入れができるように環境整備 ※救急対応で確認できない場合は状況に合わせて適宜チェックする |
随時 | 搬送・来院患者さんの対応 初期対応やトリアージ 救急・救命処置 医師の補助 患者さんと家族の対応 看護記録の記入 |
24:00 | 交代で3~4時間程度休憩と仮眠をとる。ただし、救急搬送が立て込んだときなどは仮眠が十分にとれないことも。 |
随時 | 搬送・来院患者さんの対応 初期対応やトリアージ 救急・救命処置 医師の補助 患者さんと家族の対応 看護記録の記入 |
8:30 | 業務終了 日勤者へ申し送り |
夜勤は日勤に比べると患者さんの動きは減りますが、その分、少人数で全体をカバーするため、精神的なプレッシャーが大きくなります。急変や重篤な患者さんの対応は、夜間でも気が抜けません。限られた人員の中で、臨機応変に動き続ける必要があり、責任感と集中力が求められます。
救急看護師のやりがいと魅力とは?
救急看護師は、直接患者さんの命を救うという大きなやりがいはもちろん、自分自身の成長や専門性の高いキャリアを積める職種です。ここでは救急看護師・救急認定看護師ならではのやりがいについてご紹介します。
患者さんの命を救う瞬間に立ち会える
救急の現場では、患者さんの命を左右する重大な場面に直面することも多々あります。その中で自身の判断やスキルによって患者さんが助かった瞬間は、言葉では言い表せない達成感と責任感を感じます。
ときには命の瀬戸際で手を尽くし、患者さんやご家族の「ありがとう」の言葉を聞いたとき、救急看護師としての使命ややりがいを深く実感できるでしょう。
チーム医療の一員として貢献できる
救急医療は、医師・看護師・臨床工学技士・放射線技師・事務職員など、多職種の連携によって成り立っています。救急看護師は、単独で動くのではなく、常にチームの一員として役割を担い、協力しながら患者さんを救う仕事です。自分一人の力ではなくチーム全体で成し遂げたときの充実感や達成感は、救急現場ならではの大きな魅力といえるでしょう。
高度な知識とスキルが身につく
救急の現場は毎日同じことの繰り返しではありません。症例や患者さんの年齢、症状もさまざまです。そのため、常に新しい知識や技術の習得が必要とされ、現場で幅広い経験が積めます。
救急認定看護師を目指すことで、さらに高度な専門性を身につけることも可能です。日々成長できる環境で看護師としてのキャリアを高めていきたい方には、最適なフィールドです。
救急看護師はどんな人に向いているの?
救急看護師や救急認定看護師には資質や適性が求められます。ここでは、救急看護師に向いている人物像について解説します。
精神的なタフさを持つ人
救急現場は予測できないできごとの連続です。時には命に関わる重症患者が同時に搬送されることもあり、精神的なストレスは非常に大きくなります。極限の状況でも冷静な判断ができ、プレッシャーに打ち勝つ、タフなメンタルが不可欠です。
とはいえ、「自分は向いていないのかも」と過度に恐れる必要もありません。日々の経験を積むことで現場に慣れ、知識やスキルも身につくことで、徐々に強くなっていきます。
向上心があり、学び続ける意欲のある人
医療現場は日々進化しています。新しい治療法や機器、ガイドラインの改訂など、救急看護の知識や技術も常にアップデートが必要です。自ら進んで学び、成長していく意欲のある方は、救急看護師として長く活躍できる素質があります。救急認定看護師を目指す場合も、積極的な学びが求められます。
チームワークを大切にできる人
救急医療は、医師や看護師、救急救命士など、多くの職種が協力し合って成り立ちます。自分の役割だけでなく、周囲と連携して助け合える協調性が重要です。チームの中で自分の意見をしっかり伝え、かつ相手の意見も尊重できる方は、救急現場で頼りにされる存在となるでしょう。
救急看護師になるには?
救急看護師や救急認定看護師として働くには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、キャリアステップや必要資格についてご紹介します。
未経験者が救急看護を行う部署に配属されることは少ない
救急看護師として活躍するには、まず看護師免許が必須です。加えて、救急医療の現場は高い専門性、知識と経験が求められるため、新卒や未経験者がいきなり救急部署に配属されるケースはあまり多くありません。まずは急性期病棟などで経験を積み、院内異動や転職で救急部門を目指すというルートが一般的です。
また、より専門的なスキルを身につけるため、救急認定看護師や特定行為看護師の資格取得を目指す人も増えています。これらの資格を取得することで、救急医療の現場でさらに高度な役割を担えるようになります。救急看護師としてのキャリアを積みたい方は、積極的に研修や勉強会に参加し、学び続ける意欲が大切です。
救急看護師の求人を探す際のポイントとは?
救急看護師として働きたい場合、どのような職場を選べば安心して長く続けられるのでしょうか。ここでは求人探しの際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
研修制度や教育体制の充実度
救急看護の分野は、特に専門性が高く、現場ごとに求められるスキルも異なります。そのため、入職後の研修制度や教育体制がしっかりしている病院を選ぶことが非常に大切です。OJTや院内研修、外部講習への参加支援など、成長を後押ししてくれる職場を選びましょう。救急認定看護師の資格取得を目指す場合も、研修体制の整った環境が望ましいです。
夜勤体制やワークライフバランス
救急医療は24時間体制で稼働しており、夜勤は避けて通れません。夜勤の頻度やシフト体制、夜間のサポート体制、休憩環境、福利厚生など、ご自身のライフスタイルに合った職場を選ぶことが大切です。ワークライフバランスを意識したい方は、夜勤回数やシフトの柔軟性についても確認しておくと安心です。
給与水準と福利厚生
救急看護師は責任が重い仕事です。それに見合った、給与水準や福利厚生がしっかり整っているかも重要なポイントです。夜勤手当や資格手当の有無、住宅手当、育児支援など、長く安心して働き続けるためにも、待遇面を比較・検討しましょう。
医療21では様々な求人情報を掲載!
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まとめ:救急看護師として、あなたの可能性を広げよう!
救急看護師や救急認定看護師は、多忙で責任の重い仕事ですが、その分だけ大きなやりがいと成長を実感できる職業です。高い専門性とチームワークを武器に、命の現場で活躍できる救急看護師を目指して、ぜひ、一歩踏み出してみませんか?
医療21では、あなたのキャリアアップや転職活動を全力でサポートしています。興味のある方は、ぜひ医療21をチェックしてみてください。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。