
《 リハビリスタッフ編 》
セラピストとして自分に合った領域を見つけるには、さまざまな経験を積んで視野を広げることが大切ですよね。上尾中央医科グループ(AMG)の「三郷中央総合病院」では、入職後4年間をジョブローテーションにあて、幅広い疾患の急性期・回復期・維持期のリハビリを経験できる環境を用意しているとのこと。ワークライフバランスを重視し、結婚・出産後も長く安心して働ける環境を整えているらしいので、さっそく見学に行って確かめてきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 埼玉県三郷市/三郷中央駅
- 病床数
- 289床(一般223床 回復58床 ICU8床)


玄関
「三郷中央総合病院」へのアクセスは、つくばエクスプレス「三郷中央駅」から徒歩8分。玄関では、新卒入職4年目の理学療法士さんが迎えてくれました。周辺には商業施設や飲食店が充実していて、魅力的な立地ですね。「そうなんです。リハビリテーション技術科には県外出身者も多く、近隣に引っ越して生活しているスタッフからは、とても暮らしやすい街と評判です。今日は自慢の職場をたっぷり紹介させてくださいね」。


外来の待合ロビー
まずは、外来の待合ロビーへ。「地域住民の方にとって、当院はどんな病気でも診られる市民病院のような存在で、外来には毎日多くの来院があります。救急外来では24時間救急車を受け入れていますし、ICU8床・手術室・カテーテル室なども備え、一般病床223床と回復期リハ病床58床を有しています。リハビリに関しては病院だけで完結せず、急性期から回復期、維持期(訪問リハビリ)までシームレスに対応できる点が強みです」。


リハビリテーション室
作業療法士の我妻科長にお会いしました。「リハビリテーション技術科には、新卒1年目の若手からキャリア20年目以上のベテランまで、120名以上のセラピストが在籍しています(2025年4月)。約7割が20代と若い組織なので、世代の近い仲間同士で臨床技術を切磋琢磨したり、プライベートでも交流をしたりと、公私ともに仲が良いです。2024年には、リハ科が中心となってゴルフとソフトテニスの病院部活動を立ち上げました」。


心臓リハビリの専用スペース
心臓リハビリの専用スペースには、最新機器が導入されていました。「歴史ある病院なので、建物には古さを感じる部分もありますが、リハビリの訓練機器・評価機器などは最新式を順次導入していけるよう努めています。心臓リハビリの需要は年々上がっていて、2025年度には集団心臓リハビリ外来をスタートし、心不全療養指導士などの資格を持つセラピストが中心となって集団プログラムも実施しています」。


機能訓練スペース
機能訓練スペースでは、新人セラピストへのOJTが行われていました。「入職後は4年間のジョブローテーションを用意し、脳外科病棟、整形外科病棟、内科・外科病棟、回復期病棟、循環器病棟を回り、その中でプリセプターシップによるOJTを実施しています。入職5年目以降は、各人が興味を持った病棟チームに配属し、学びを深めていけるような支援を行っているんですよ」。配属希望はほぼ100%通るのだとか。


リハビリテーション室
リハビリテーション室の一角で、症例検討会が行われていました。「スキルアップ支援として『AMGリハビリテーション部ラダー』を活用し、1~3のステップを修了して一人前のセラピストになれるよう応援しています。こちらの症例検討会はラダーのステップアップ条件の1つで、学びも業務の一環として捉え、開催も資料作成も業務時間内にできるようにしています」。勉強会が業務時間内、は嬉しいですね。


リハビリテーション室
お次は、心臓リハビリテーション指導士の資格を持つセラピストのお2人を紹介してくれました。「『プロであれ』をポリシーとする科長の方針で、外部の研修・学会にも積極的に参加できる環境があり、私たちの他にもさまざまな認定資格を取得したセラピストが在籍しています。キャリアアップに理解のある職場なので、働きながら夜間の大学院に通うセラピストもいて、授業に合わせた勤務調整もしてもらえるそうです」と、お2人。


病棟のスタッフステーション
つづいて、病棟のスタッフステーションへ。「術後で離床が難しい患者様には病室でリハビリを提供することもあり、病棟看護師とは日常的に情報共有を行っています。また、セラピストも病院の委員会活動や、NST(栄養サポートチーム)などのチーム活動に参加しているので、さまざまな職種と連携する機会があり、他職種と関わる中で新しい視点を学んだり、チーム医療の達成感を得たりする機会にも恵まれています」。


駐車場
駐車場に伺うと、理学療法士さんが訪問リハビリに出発するところでした。「訪問リハビリは、訪問専属のセラピストと、病棟業務と兼務するセラピストで対応しています。患者様のスムーズな退院を支える上で、在宅や介護に関する知識は欠かせないため、病棟担当のセラピストにも在宅に出向く機会をつくっているんです」。外来リハビリは、対象疾患に合わせて病棟担当のセラピストが対応しているとのこと。


地域支援事業の様子
「こちらは、先日地域で開催した介護予防教室の様子です」と、写真を見せてくれました。「地域の高齢者の心身の健康づくりを応援するため、行政機関や近隣病院と連携して、認知症予防教室や転倒予防教室などを定期的に開催しています。長年にわたって地域医療の中核を担う当院は、行政職員の方から頼られる機会が多く、地域の病院との関係性も良好です」。


くるみ保育室
最後は、多職種が利用できる保育室へ。「年間120日の公休があり、残業が少ない職場なので、子育て中のセラピストは年々増えていて、女性だけでなく男性の育休取得率も上がっています。2024年には、お子さんが小学校1年生まで時短勤務を選べるようになったり、有休を1時間単位で取得できる時間休が導入されたり、子育て支援が拡充されました」。結婚・出産後も安心して働けますね。今日はありがとうございました。

帰り道

- ――お疲れさまでした。さまざまなリハビリを経験できる病院、いかがでしたか?
- 救急から在宅まで切れ目のない医療を提供する総合病院で、急性期・回復期。維持期のリハビリに加えて、地域支援事業としての予防リハビリにも取り組める環境があります。リハビリテーション技術科は新卒採用が中心のため、学びに積極的な20代のセラピストが多く、活気に満ちた部署です。
- ――教育体制も充実していますか?
- はい。入職後4年間のジョブローテーション制度はじめ、新人研修、チームごとの勉強会、症例検討会などが充実していて、AMG共通のラダーシステムも活用されていました。また、興味に応じた外部研修・学会への参加も促していますし、AMGには他施設の見学・業務体験ができる「チャレンジ研修」という制度もあるそうですよ。
- ――では、ここはちょっと、という点は?
- 1日18単位のリハビリの提供を目指していると伺い、その他に会議や勉強会に参加するのは忙しそう…と思いました。でも実際は、リハビリの実施を1日16単位程度とし、残りの時間は会議や勉強会にあてているとのことで、残業は月10時間以内とのことです。
- ――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 2024年度から立ち上げた部活動には多職種が参加していて、病院からの費用援助があるそうです。ゴルフ部はリハ科の科長が中心となっているそうで、先日はじめてコンペを開催し、とても盛り上がったそうですよ!
さまざまなリハビリを経験しながら自分に合った領域を見つけたい方
専門職として継続的なスキルアップを図りながら働きたい方