透析が強みの病院と聞くと、慢性期の維持透析入院が多いイメージを持つ方が多いかと思います。地域屈指の透析実績・患者数を誇る「春日部嬉泉病院」は、急性期の入院患者様が中心で、各種検査・手術件数が多く、スキルアップに最適な環境が整っているとのこと。最近は20代の看護師の入職が増えていて、次世代リーダーの育成が進んでいるらしいので、さっそく見学に行って働く魅力を見つけてきます。
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 埼玉県春日部市/春日部駅
- 病床数
- 60床(急性期一般病棟52床、地域包括病棟8床) 病棟:1単位
玄関
「春日部嬉泉病院」があるのは、「春日部駅」西口から徒歩約3分の便利な立地。在宅支援に取り組むために居宅介護支援事業所を併設し、すぐ近くに外来透析専門の付属クリニックも運営しています。玄関では、外来の看護主任さんが迎えてくれました。「ようこそ!当法人では、本院である当院と附属クリニックを合わせて131台の透析装置を持ち、500名を超える透析患者様に対応しているんですよ」。
病棟
まずは、病棟で栢原看護部長にお会いしました。20代の看護師が増えているそうですね。「ええ、入退院・検査・手術件数が多い当院では、急性期を経験しながら透析の専門性も身に付けられるので、スキルアップを目指す卒後4~5年目の看護師の入職が増えています。また、時代に求められる在宅支援にも携われますし、透析患者様は全身管理や合併症予防が必須で、幅広い診療科の知識も得られる環境なんです」と、看護部長。
スタッフステーション
スタッフステーションでは、看護師さんがeラーニングで学んでいました。「新型コロナの影響で外部研修に参加しにくいため、丸山院長に相談し、2022年から導入しました。柔軟でバイタリティ溢れる院長は、新しいものを積極的に取り入れる方針で、医療機器なども随時最新式に切り替えています。また、院長は時代の流れにも敏感で、近年では災害対策やSDGsにも関心を寄せ、当院にできることを考えているんです」と、看護主任さん。
外来受付
外来受付のある2階フロアには、丸山院長(写真中央)のアイディアで大きなグランドピアノが設置され、さまざまな有名絵画も展示されていました。「外来診療の待ち時間をリラックスして過ごしていただけるように、自動演奏機能が搭載されたピアノを導入し、患者様にさまざまな音楽を楽しんでいただいています」と、院長。芸術が趣味の丸山院長は、地域に向けた院内コンサートなども開催しているそうです。
スタッフステーション
スタッフステーションに戻ると、退院支援カンファレンスが行われていました。「退院支援カンファレンスでは、患者様に合わせた退院支援について多職種で検討し、必要に応じて居宅のケアマネージャーとも連携を取ってスムーズな在宅移行を実現しています。入院患者様は2週間以内に退院される方が中心のため、医師・看護師・セラピスト・薬剤師・管理栄養士など、多職種チームで在宅を見据えたサポートに取り組んでいるんです」。
病棟
つづいて、看護部の皆さんが集まってくれました。現在、次世代リーダーの育成が進められているそうですね。「ええ。クリニカルラダーを活用しながら、リーダー・マネジメント業務が担える人材を育成しています。採用でも、将来の管理職候補となる人材を迎えたいと考えていて、入職後は院外の研修・学会参加のサポートや、各種資格取得もサポートしています」と、皆さん。
病室
病室を覗くと、腹膜透析を希望する患者様のための透析液を準備していました。「当院では透析治療の選択肢を増やすために、『腹膜透析』の導入にも積極的です。腹膜透析の最大のメリットは、通院が月1~2回と、血液透析に比べて時間的拘束が少ない点で、病棟看護師が中心となって携わっています」と、看護主任さん。病棟看護師も、透析に関する知識を積極的に学んでいるそうです。
スタッフステーション
スタッフステーションの一角では、新人指導が行われていました。「入職後は、新卒者にも中途入職者にも『プリセプター制度』を導入し、マンツーマンの丁寧なOJTを実施しています。看護部では、毎年複数名の実習指導者を育成して看護実習の受け入れを行っているため、スタッフの指導力が年々上がっていて、新人さんにもきめ細かい教育サポートを行うことができているんです」。それは安心です。
透析室
つづいて、透析室を案内していただきました。「院内には全部で75台の最新の透析装置があり、71台はこちらの透析室に、残りの4台は重症な方や移動が困難な方のために病棟に設置しているので、透析室から看護師が治療に出向いています。午前・午後の透析治療に加えて、お仕事との両立を支える『夜間透析』にも対応しており、シャント手術や血管エコー、PTA(経皮的血管形成術)にも対応できる設備があります」。
職員食堂
職員食堂に伺うと、管理栄養士さん達にお会いできました。「入院患者様の7~8割は透析患者様で食事療法が必要なので、当院には10名もの管理栄養士が活躍しているんです。病棟内での栄養指導はもちろん、NST(栄養サポートチーム)の要となって活躍しています。一人ひとりの患者様の栄養状態について、情報共有をしっかり行っているんですよ」。直営の職員食堂のランチは1食250円とリーズナブルなんだとか。
春日部嬉泉病院附属クリニック
最後は、近くの「春日部嬉泉病院附属クリニック」へ。「当院では、透析患者様のプライバシーに配慮した『半個室透析』を実現し、本院と密な連携体制を築いています。法人全体で年々患者数が増え続けているので、各部署の増員を図るとともに、透析室では看護師と臨床工学技士のチームワークを強化しています」と、クリニックの看護師さん。病院とクリニックが力を合わせて成長しているんですね。今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。スキルアップに最適な透析専門病院、いかがでしたか?
- 透析治療において地域屈指の実績と患者数を誇る病院で、専門性を身に付けながらスキルアップできる環境が整っていました。看護部ではここ数年の間に教育サポートがより充実し、クリニカルラダーやeラーニングも導入されたそうで、キャリア目標達成に向かって継続的な成長を目指せます。
――看護部には、どんなスタッフが活躍していますか?
- 20代~50代の幅広い年齢層が活躍しており、最近は卒後4~5年目の20代後半のスタッフの入職が増えているそうです。保育室があるため結婚・出産後も長く働く方が多く、産休・育休後の復帰率はほぼ100%だそうです。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 慢性期の維持透析入院が多い病院を想像すると、少しギャップを感じると思います。入院患者様は20日以内に退院される方が中心で、各種検査や手術件数も多く、スピード感のある急性期の看護に携わりたい方におすすめの職場です。
――最後に、ここだけの話を一つお願いします。
- ONとOFFのメリハリを大切にできるように、残業は当番制にして、それ以外の日はほぼ定時に退勤できるそうです。休みの希望も通りやすく、有休も積極的に取得できるそうで、プライベートを充実させているスタッフの方がたくさんいました。
急性期の看護を経験しながら、透析の専門性も身に付けたい方
スキルアップに前向きで、将来は管理職を目指している方