地域に密着した中小規模の病院は、上司や他職種との距離が近く、和気あいあいと働けるイメージがありますよね。戸田中央メディカルケアグループ(TMG)の「八王子山王病院」は、家庭的な病院規模を活かして、地域の患者さま、そして働くスタッフを大切にする病院づくりに取り組んでいるそうです。結婚・出産後も安心して働けるよう、ワークライフバランスの充実にも力を入れているそうなので、さっそく見学に行って確かめてきます!
- 形 態
- 一般病院
- 所在地
- 東京都八王子市/八王子駅
- 病床数
- 157床
玄関
「八王子山王病院」へのアクセスは、「八王子駅」北口から15分ほどバスに乗り、「中野山王」バス停で下車して徒歩3分。駅から少し離れた立地ですが、バスの本数が多く、通勤には困らなそうです。玄関では、急性期病棟に勤務する新卒入職2年目の看護師さんが笑顔で迎えてくれました。「ようこそ!今日は当院で働く魅力をたっぷりとご紹介しますね」。
外来待合ロビー
まずは、外来待合ロビーへ。「地域の多様な医療ニーズに応えていけるよう、外来ではさまざまな診療科を標榜し、救急外来では救急車を24時間受け入れています。特に、2022年に壽美(すみ)院長が赴任してからは救急医療体制を一層強化していて、入院患者さまの割合も急性期の方が増え、2023年の病棟再編で慢性期病棟を急性期病棟へ転換しました」。開院以来、時代や地域に合わせた進化を続けているそうです。
廊下
院内には、TMGのポスターが掲示されていました。グループ施設がたくさんありますね。「ええ、TMG本部の看護局では教育システムやキャリア支援制度を充実させていて、合同研修も開催されますし、認定看護師や専門看護師の資格を目指す際のサポート体制も万全です」。看護部の研修は、TMGのキャリアラダーに沿って開催されるそうです。
廊下
病棟に伺うと、看護課長が業務改善に向けた取り組みを紹介してくれました。「看護部では『HKB(八王子看護部)48』というプロジェクトを立ち上げ、一年で48個の業務改善を行うことを目標にしています。最近では病棟の入れ替えを行い、2つの急性期病棟を同じフロアに配置したことで、病棟を越えた助け合いがスムーズに行えるようになり、残業削減を実現したんですよ」と、看護課長。看護部の残業時間は月10時間以内だそうです。
病室
病室に行き、認知症患者様のために手作りした時計を見せていただきました。「どの病棟にも認知症の高齢患者様が増えているため、入院中も曜日や時間の感覚を持ってスケジュール管理をしやすいように、お一人おひとりに時計やカレンダーを設置しています。こちらの時計は認知症看護認定看護師のアイディアで手作りしたのですが、『自宅にもほしい』と言ってくださるご家族もいるほど好評なんですよ」。
スタッフステーション
つづいて、スタッフステーションへ行ってみると、院長(写真右から4番目)を中心に多職種カンファレンスが行われていました。「157床という大きすぎない規模の病院なので、部署の壁がなく、職種を超えた連携が図りやすいです。このような多職種カンファレンスの時間以外でも、状況に応じて情報共有・意見交換を行い、質の高いチーム医療で患者さまを支えています」と、皆さん。
スタッフステーション
お次は、先輩から指導を受ける様子を見学させていただきました。「新卒者のOJTは、1人の新人に対して、エルダー(気軽に質問・相談できる兄・姉的存在)とメンター(教育目標などを管理してくれる先輩)が付きます。中途入職者のOJTは、経験に応じてサポート役を付け、その方に不足している技術をマンツーマンで指導しています」と、看護師さん。
リハビリテーション室
つづいて、リハビリテーション室へ。「急性期の治療を終えた患者さまが在宅に戻るための支援を担う地域包括ケア病棟もあるため、さまざまな機能訓練機器を備え、ADLの維持・向上を支えています。リハビリテーション科では、入院中のリハビリや外来リハビリに加えて、訪問リハビリや行政と連携した地域リハビリにも取り組んでいるんですよ」。
透析室
透析室に行き、透析看護認定看護師さんを紹介していただきました。「保育園に通う2人の子どもを育てながら長期間の研修に参加し、認定看護師の資格を取得しました。現在は病棟師長を務めながら、フットケア外来・糖尿病透析予防外来を担当して専門性も発揮し、人材育成委員会の委員長としてスタッフ教育にも積極的に携わっています」と、認定看護師さん。子育てとキャリアアップの両立を実現する素敵なロールモデルですね。
保育室
病院のすぐ近くには、ママさんたちに人気の保育室があります。「保育室は24時間対応で、感染症以外の病児保育や、夏休みなどの長期休暇中は学童保育も行っています。病院に隣接しているため、仕事の合間に授乳にくるスタッフもいますし、保育中にお子さんの具合が悪くなってもすぐに様子を見に来ることができて安心です」。子育てサポートも充実しているのですね。
病棟
最後は、スタッフの皆さんが集まってくれました。皆さんとっても表情がいきいきとしていますね!「希望休が通りやすく、残業削減にも取り組んでいるため、理想のワークライフバランスを実現しやすく、毎日笑顔で仕事ができています。働きやすい環境なので、3人、4人と出産するママさんや、定年後も再雇用を希望するスタッフも多いんですよ」と、皆さん。魅力的な職場ですね!今日はありがとうございました。
帰り道
――お疲れさまでした。地域の患者さまや職員を大切にする中規模病院、いかがでしたか?
- 救急医療から在宅支援まで切れ目なく対応できる体制があり、地域医療の充実のために進化・成長を続けていて活気がありました。院長や看護部の管理職の方々も親しみやすい人柄で、部署の壁がなく、スタッフ同士のコミュニケーションが活発な職場です。
――ワークライフバランスへの取り組みはどうですか?
- さまざまな取り組みが評価され、「東京ワークライフバランス認定企業」に選ばれているそうです。24時間対応の保育室があり、小さなお子さんを持つママさんも多く活躍していて、日勤常勤・時短勤務・パート勤務など、ライフスタイルに合った働き方を選んで無理なく仕事を続けている印象でした。また、男性看護師の育休取得実績もあり、パパさん看護師の子育て参加も応援しています。
――では、ここはちょっと、という点は?
- 最寄りの「八王子駅」から少し離れていることでしょうか。ですが、病院の近くにバス停があり、駅までのバスが多く出ています。病院周辺は自然に囲まれた静かな立地ですが、「八王子駅」周辺はさまざまな商業施設で賑わっていて便利です。
――最後に、ここだけの話をひとつお願いします
- 『HKB(八王子山王病院看護部)48』というプロジェクトは2023年からスタートした取り組みで、2023年度は1年間で約50個の業務改善を達成したのだとか。2024年度も業務改善を進め、より働きやすく、魅力的な職場づくりに取り組んでいました。
地域に密着した家庭的な病院でキャリアを磨きたい方
結婚・出産後も、無理のない範囲で仕事を続けたい方