看護師のボーナス事情/ボーナスの平均額や査定基準を解説

2023年12月23日

看護師 ボーナス

看護師のボーナス事情/ボーナスの平均額や査定基準を解説

看護師のボーナスは、どのくらいの金額が支給されるのでしょうか。また、看護師の経験年数や病院の規模によって、ボーナスの金額に差は生じるのでしょうか。

看護師のボーナス平均額を、年齢や経験年数、病院の規模別に紹介していきます。さらに、産休・育休中や退職後にボーナスはもらえるのか、看護師のボーナス査定はどのような仕組みになっているのかについても解説します。看護師のボーナス事情が気になる方は必見です。

ページ目次

1.看護師のボーナスは平均いくら?

厚生労働省が毎年行う賃金構造基本統計調査によると、2019年(令和元年)の看護師、准看護師、看護補助者のボーナス平均額は以下の結果となりました。

【参考】: 厚生労働省『令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況』
※下記で参考表記のない表はすべて、上記が参考資料です。

 女性男性
看護師81.4万円83.6万円
准看護師63.7万円68.8万円
看護補助者43.2万円45.4万円

看護師の「年齢別」のボーナス平均額

看護師の「年齢別」のボーナス平均額は以下のとおりです。

年齢女性男性
20~2446.8万円45.4万円
25~2974.9万円78.9万円
30~3478.1万円84.6万円
35~3983.4万円95.1万円
40~4490.8万円94.6万円
45~4999.5万円94.3万円
50~5499.8万円116.4万円
55~5995.8万円115.0万円
60~6471.0万円54.0万円

男女ともに看護師のボーナス平均額は「50~54歳」がピークとなっています。また、「50~54歳」までは順調に金額が上がっていますが、それ以降はボーナス額が下がっています。特に60歳以降で大きく下がったのは、定年によりベテラン層が退職したことが要因だと考えられます。

看護師の「経験年数別」のボーナス平均額

看護師の「経験年数別」のボーナス平均額は以下のとおりです。

経験年数女性男性
1~4年72.4万円75.2万円
5~9年81.0万円86.2万円
10~14年84.5万円106.5万円
15年以上95.2万円99.3万円

看護師の経験年数別に見ると、最もボーナス平均額が高いのは、女性の場合は「15年以上」、男性の場合は「10~14年」でした。とはいえ、経験年数が「15年以上」の男性も100万円に近いボーナスが支給されており、女性の平均額を上回っています。この結果から、看護師の経験年数が長いほどボーナスも高くなる傾向があるといえるでしょう。

看護師の「病院規模別」のボーナス平均額

看護師が勤める「病院規模別」のボーナス平均額は以下のとおりです。

職員数女性男性
10~99人66.9万円68.5万円
100~999人74.2万円80.6万円
1000人以上93.9万円90万円

男女ともに、職員数が増えるほどボーナスの平均額も上がっていることがわかります。

新人看護師のボーナス平均額

新人看護師(経験年数1年未満)のボーナス平均額は以下のとおりです。

 女性男性
看護師8.4万円11.2万円
准看護師4.9万円5.2万円
看護補助者9.1万円6.1万円

経験年数1年未満の新人看護師の場合、初年度のボーナス平均額は10万円前後です。また、准看護師や看護補助者のボーナス平均額は10万円未満でした。しかし、経験年数1~4年の看護師は男女ともに70万円以上となっており、経験年数を重ねていけばボーナスにしっかりと反映されることがわかります。

2.看護師がボーナスをもらえる時期

看護師 ボーナス 支給時期

看護師がボーナスをもらえる時期は、一般企業と同様に夏と冬の年2回が基本です。ただし、病院によってはボーナスを年3回支給するところ、ボーナスの支給がまったく行われないところもあります。

年2回の支給の場合、夏のボーナスは6~7月、冬のボーナスは12月に支給されるのが一般的です。また、冬のボーナスは夏よりも高くなる傾向があります。

2019年(令和元年)の女性看護師のボーナス平均額は81.4万円なため、単純に2等分で考えると夏と冬の2回、およそ40万円ずつが支給されることになります。

3.看護師のボーナスが高い勤務先は?

看護師の場合、病院の規模が大きくなるほどボーナスも高くなる傾向があります。そのため、国立病院機構や大学病院といった規模の大きい病院はボーナスが高いといえるでしょう。

国立病院機構とは日本最大の病院ネットワークを持つ独立行政法人であり、全国に143の医療施設を有しています。前身が厚生労働省所轄の国立病院だったため、給与や福利厚生は国家公務員と同等の待遇を受けられます。

また、国立病院機構の職員に支給される給与やボーナスは給与規定によって決められており、厚生労働省のホームページで公開されています。2018年度における看護師のボーナス平均額は122.9万円であり、全体の看護師平均(2019年は男性83.6万円、女性81.4万円)を大きく上回っています。

4.産休・育休中でもボーナスはもらえる?

看護師が産休や育休で職場をお休みしていても、査定期間中に就業していればボーナスは支給されるものと考えられます。ただし、査定期間中に産休や育休に入った場合、満額のボーナスをもらうことは難しいでしょう。その場合は、産休・育休期間の分を引いて支給されるのが一般的です。

また、産休や育休で休んでいることを理由に、本来なら支給されるはずのボーナスが支給されなかったり、ボーナスを減額されたりした場合、病院側の違法行為にあたります。こうした行為は「不利益な取り扱い」とみなされ、厚生労働省のホームページにも例として以下のように明記されています。

「<不利益な算定に該当する例>育児休業、介護休業期間等、現に働かなかった期間を超えて、賃金を支払わないこと」

引用:両立支援のひろば?不利益取扱いの禁止について

つまり、病院側は産休や育休の取得を理由に、支給されるはずのボーナスを支払わなかったり、不当に減額したりすることはできないのです。

5.勤務先を退職したあとにボーナスはもらえる?

看護師が病院を退職したあとにボーナスの支給日がやってくる場合、ボーナスが支給されるかどうかは病院によって異なります。病院の賃金規定に給与やボーナスの支給条件が定められています。

確実にボーナスを受け取りたい、という場合は、ボーナスが支給されてからの退職がおすすめです。退職までの期間に後任への引き継ぎをしっかりと行っておけば、まわりから嫌な顔をされることもないかと思われます。

6.看護師のボーナス査定の仕組み・基準

看護師 ボーナス 査定

看護師に支給されるボーナスはどのような基準で決められているのでしょうか。一般的な看護師のボーナス査定の仕組みをご紹介します。

看護師の査定は勤怠・年次・役職から判断

一般企業では、業務上求められる能力や社員の意欲、勤務態度などから社員を査定し、ボーナスに反映します。しかし、看護師の場合、勤怠や年次、役職から判断されるのが一般的です。

看護師のボーナスは基本給がベースとなり、一律として「基本給の○カ月分」が支払われるパターンが多いです。よって、基本給が同じであればボーナスもほぼ同じ、基本給に差があればボーナスにも差が出ることになります。

企業で働く看護師は一般企業と同様の査定になる場合も

看護師の勤務場所は病院やクリニックだけではなく、一般企業に勤務し社員の健康相談や健康管理を行う看護師もいます。企業によって査定基準は異なりますが、看護師が企業で働く場合、他の社員同様に人事考課などの査定を受けることがあります。

7.看護師にボーナスが支給されないケースとは

看護師にボーナスが支給されない場合、以下のようなケースが考えられます。

非正規雇用の場合

パート労働者など非正規雇用で働く看護師の場合、ボーナスは支給されないのが一般的です。
ただし、正規雇用であっても、ボーナスに法律上の支払い義務はないので、ボーナスが支給されない可能性はあります。

勤務先の経営状況が悪い場合

一般企業と同様に、病院や福祉施設も、経営状況が悪い場合はボーナスが支給されないことがあります。職員へのボーナスは勤務先の充分な収益のもとに支給されるものであるため、年度によってはまったく支給されなかったり、あるいは前年度よりも大幅にカットされたりと、勤務先の経営状況によって左右されます。

8.まとめ

看護師に支給されるボーナスの平均額は、2019年の実績で、男性看護師は83.6万円、女性看護師は81.4万円でした。しかし、この数字はあくまで全体の平均額であり、年齢や経験年数、病院の規模によって支給額は大きく変わってきます。

また、看護師の査定は一般企業とは異なり、基本給をベースに勤怠や年次、役職から判断されるのが一般的です。ただし、雇用形態が非正規の場合や勤務先の経営状況が悪い場合は、ボーナスが支給されないケースもあります。ボーナスは必ずしも支給されるものではなく、勤務先の収益によって左右されることを理解しておきましょう。

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