2025年05月29日

小児科看護師は、子どもたちの成長や命に寄り添いながら、その家族も支える医療現場のプロフェッショナルです。やりがいが感じられる反面、責任感が求められる仕事でもあります。
この記事では、小児科看護師の日々の仕事の特徴ややりがい、実際の一日、向き不向きのリアルな声まで、これから小児科看護師を目指したい方に役立つ情報をお届けします。
―― 小児科看護師の特徴・イメージ
2.小児科看護師の役割
―― 小児科外来看護師の1日
3.小児科看護師の給与事情
―― ①病棟の小児科看護師の給与
―― ②外来の小児科看護師の給与
―― ③クリニックの小児科看護師の給与
4.小児科看護師の厳しさ:大変な場面とは?
5.小児科看護師のやりがい
6.小児科看護師に向いている人の特徴
―― ①子どもと関わることが好き
―― ②対人コミュニケーションが得意
―― ③状況対応力・身体能力がある
7.小児科看護師に向いていないかもしれない人の特徴
―― ①子どもに苦手意識がある
―― ②感情のコントロールが苦手
―― ③身体的・対人的に不安を感じやすい
7.小児科看護師の求人を探すなら医療21へ!
8.まとめ:小児科看護師は「未来を支える大切な仕事」!
小児科看護師とは?
小児科看護師とは、赤ちゃんから思春期の少年・少女まで、幅広い年齢層の小児患者とその家族を支える看護のスペシャリストです。主な活躍の場は総合病院や大学病院、小児科クリニック、NICU(新生児集中治療室)や小児救急外来など多岐に渡ります。
子どもの体調や発達段階に応じた医療サポートを行うほか、親御さんへの説明や精神的ケアも重要な業務です。特に小児科では予防接種、定期健診、慢性疾患のフォロー、手術前後の看護、感染症対策など、幅広い知識や技術が求められます。また、小児科の患者は病状を言葉で伝えるのが難しいことも多いため、表情や仕草、泣き声や遊び方など“非言語的サイン”をしっかり観察し、的確に対応する力も必須です。
子どもの命を守るという大きな責任感と、成長に寄り添うやりがいが、他の診療科では得られない大きな魅力といえるでしょう。
小児科看護師の特徴・イメージ
一般的には「子ども好きな人がなる職種」「明るく優しい看護師さん」という印象が強い小児科看護師。実際には、子どものケアに加え、保護者との信頼関係づくりも重要で、インフルエンザ流行期などの感染症対策、細やかな予防接種スケジュール管理、急な発熱・発作時の緊急対応など、多岐にわたる知識と経験が求められます。
また、「小児科で働くには特別な資格が必要なのでは?」と誤解されがちですが、看護師資格または准看護師資格があれば勤務可能です。専門的な小児看護の認定資格もありますが、現場では「子どもが好き」という気持ちと責任感、学び続ける意欲があれば十分チャレンジできます。
一方で、乳児〜幼児の予防接種の種類の多さ、親子のコミュニケーションの難しさ、流行期の忙しさ(ときに看護師自身が感染症をもらうことも)など、イメージと現実のギャップを感じる場面も多々あります。
小児科看護師の役割
小児科看護師の役割は、単に診察や処置の補助にとどまりません。以下のようなさまざまな役割を果たすことが求められます。
診療サポート・処置介助
医師の診察・検査補助(血液検査・点滴・採尿・各種モニタリング)、ワクチン接種や予防接種スケジュール管理、外傷や急な症状悪化時の一次対応など、臨床現場で多岐にわたるケアを担当します。
日常生活援助・発達支援
食事や排せつ、睡眠・入浴の補助、乳幼児の寝かしつけ、遊びを通じた発達サポートなど、子どもが安心して療養できる環境作りも大切な仕事です。
家族への説明・相談対応
親御さんはわが子の急な発熱や病気に戸惑い、不安を抱えています。病状や治療内容、家庭でのケアポイントを丁寧に説明し、精神的なサポートや不安解消に努めます。
慢性疾患児・長期入院児への継続支援
てんかん・喘息・アトピーなど慢性疾患のある子どもへの継続看護や、医療的ケア児(気管切開・人工呼吸器等を使用している子)への日常生活支援など、家族と二人三脚でケアを行うことも珍しくありません。
以上のように、小児科看護師は治療だけでなく子どもの成長と発達、そして本人だけでなく家族をまるごと支える存在として活躍しています。
小児科外来看護師の1日
小児科外来看護師の一日は、一般の方が想像する以上にめまぐるしいものです。以下で主な流れを見ていきましょう。
8:00 | 外来全体の申し送り |
---|---|
8:15 | 外来の診察準備 |
8:30 | 診察開始 |
11:30 | ・午前最終診療受付 ・休憩 |
12:30 | ・午後の専門外来開始 ・予約外の対応 |
16:00 | 午後最終診療受付 |
16:30 | ・外来の片付け ・明日の診察の準備など |
17:00 | 勤務終了 |
流行期や混雑する日は、定時を過ぎて対応することもあります。子どもの急変や予防接種ミス防止のためのダブルチェックも欠かせません。外来はチームワークがとても大切で、医師・他の看護師・受付スタッフ・検査技師などと密に連携しながら動きます。
小児科看護師の給与事情
小児科看護師の給与は、働く場所や雇用形態によって大きく異なります。ここからは病棟・外来・クリニック別に分けてリアルな事情を解説します。
①病棟の小児科看護師の給与
病棟勤務の小児科看護師は、夜勤手当や休日手当などが給与にプラスされるため、一般的な病棟看護師と同程度(年収400〜500万円台が中心)です。救急・ICUなど特殊診療科に比べると手当はやや少なめですが、安定した勤務環境で福利厚生や研修制度が充実しているのがメリットです。
また、子育て支援や時短勤務、院内保育所など、女性看護師が長く働きやすい職場も増えています。
②外来の小児科看護師の給与
外来勤務は夜勤・当直が基本的にないため、夜勤手当がつかず年収は病棟よりやや低くなります(年収350万〜450万円程度が目安)。その分、規則正しい日勤で家庭やプライベートと両立しやすく、産休・育休明けで職場復帰する看護師にも人気です。パートや短時間勤務の選択肢も豊富で、子育て世代の看護師のキャリア継続にも適しています。
③クリニックの小児科看護師の給与
クリニック勤務の給与は、クリニックの規模や立地、経営方針により幅があります。正社員は月給23万〜30万円、パート時給は1,600円前後が目安とされています。
小児科単科クリニックは少人数のため、スタッフみんなで助け合って運営しているという空気感があります。ボーナス・手当の有無、勤務日数・残業の少なさ、雰囲気など、給与以外の待遇も重視したいポイントです。
人気クリニックでは賞与や資格手当が手厚いこともあるので、求人情報はよくチェックしましょう。
小児科看護師の厳しさ:大変な場面とは?
小児科看護師の大変さは、子どもたちの心身のケアの難しさに加え、ご家族対応や心身のタフさが必要とされる点にあります。
子どものケアの難しさ
子どもは言葉で症状を伝えるのが難しいため、発熱やけが、体調不良時は泣いたり暴れたり、時には恐怖でパニックになることもあります。短時間で信頼関係を築き、処置の説明や気持ちの切り替え、体位変換や投薬補助など、一つひとつの対応に工夫が求められます。発達段階ごとの心理や行動を理解し、年齢に応じて説明・対応方法を使い分けるスキルも必要です。
保護者への対応
親御さんは「我が子を守りたい」という気持ちが強く、不安やストレスを抱えがちです。丁寧な説明や共感を意識し、信頼関係を築くのが大切となってきます。ときには親と医療側で意見が食い違うこともあるため、調整や説明力、クレーム対応力も求められます。また、家庭でのケアアドバイスや、緊急時の対応説明など、家族全体をサポートする視点も不可欠です。
心身への負担
小児科看護は体力勝負でもあります。泣いている子どもを抱っこしたり、動き回る子のケアをしたり、夜間急患や長時間の立ち仕事が続くことも。また、重い病気や長期入院の子どもと深く関わる中で、精神的な消耗もあります。それでも「子どもの回復や成長を間近で支えられる」という喜びが大きなモチベーションとなり、子どもが元気になったときに自分も元気になれると感じるという看護師も多いです。
小児科看護師のやりがい
小児科看護師のやりがいは、「子どもたちの成長や笑顔を間近で見守れること」「ご家族からの感謝の言葉や信頼をもらえること」に尽きます。特に、治療が終わったときや元気に退院する子どもたちの笑顔は、何ものにも代えがたいものです。また、入院や治療を怖がっていた子どもが自分に心を開いてくれた、「○○さんがいてくれて良かった」とご家族に感謝される瞬間は、苦労が報われる感動の瞬間です。
加えて、日々の業務を通じて自分自身も大きく成長できる点も魅力といえます。知識や技術の習得だけでなく、相手の気持ちに寄り添う力やコミュニケーション能力など、あらゆる場面で“人間力”が磨かれます。
小児科看護師に向いている人の特徴
「小児科看護師は自分に向いている?」そんな疑問を感じたら、ここで紹介する特徴とご自身を照らし合わせてみてください。すべての条件を満たす必要はありませんが、“どれか一つでも強みがあれば、それが大きな武器”になります。
①子どもと関わることが好き
何よりも大切なのは「子どもが好き」という気持ちです。子どもたちは素直でまっすぐな反応を見せてくれるため、毎日が新鮮で刺激的です。「子どもの成長を一緒に喜びたい」「失敗しても前向きにサポートしたい」という気持ちがあれば、どんな場面でもやりがいを感じられるでしょう。
②対人コミュニケーションが得意
小児科は子どもだけでなく、そのご家族との密なコミュニケーションも必要です。親御さんの不安を理解し、丁寧に説明する、時には子どもを安心させるための声かけや遊び心を持った対応も重要。「相手の立場になって考えられる」「説明が得意」「明るい雰囲気づくりができる」という方は、現場で強みを発揮できます。
③状況対応力・身体能力がある
突発的な発熱・アレルギー反応・怪我・急変など、予想外のことが起こるのが小児科です。また、子どもは想定外の行動をすることがあります。体力に自信がある方、動き回る子どもに臨機応変に対応できる方、冷静な判断力がある方は小児科で活躍しやすいタイプです。
小児科看護師に向いていないかもしれない人の特徴
ここからは、小児科よりも他の部署のほうが向いている人の特徴をご紹介します。とはいえ、「向いていない特徴=絶対になれない」ということではありません。大切なのは、「その課題をどう乗り越えるか」「新しい環境でチャレンジしたい気持ちがあるか」という姿勢です。
①子どもに苦手意識がある
子どもに接するのがどうしても苦手、子どもの泣き声や騒ぎがストレスになる、という方には、小児科の現場はややハードルが高いかもしれません。経験を重ねることで慣れてきて自然に子どもへの対応力が身につくケースも多いため、「苦手意識があっても、チャレンジしたい」という気持ちがある方は、まずは見学や実習で現場の雰囲気に触れてみるのもおすすめです。
②感情のコントロールが苦手
子どもは予想外の行動や反応を見せ、言うことを聞いてくれないことも多いです。感情的に叱ってしまう、イライラが顔や態度、言葉に出てしまうという方は、現場に適応するのが難しい場合があります。「冷静に状況を整理できるか」「切り替えができるか」が重要な資質です。
③身体的・対人的に不安を感じやすい
小児科の現場は、体力や対人ストレス耐性が求められます。体力や気力に不安がある場合は、最初はパートタイムや補助的な業務からスタートし、徐々に慣れていくという道もあります。また、スタッフ同士の連携がしっかりしている職場を選ぶことで、安心して働き始められます。
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まとめ:小児科看護師は「未来を支える大切な仕事」!
小児科看護師は、子どもとそのご家族の人生に寄り添い、成長を間近で支えるとてもやりがいのある仕事です。大変な場面も多いですが、そのぶん成長や感動も大きく、未来を支える医療の最前線で活躍できます。興味を持たれた方は、ぜひ医療21から、小児科看護師の世界への一歩を踏み出してみましょう。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン
人材採用サポート・Web事業・印刷物制作を中心とする事業を展開する株式会社アドバンを1991年に設立。人材採用サポートの中でも、医療・介護業界に特化する専門求人サイト『医療21』『介護21』を運営。リアルな求人情報を届け、人材紹介ではない”ベストマッチングの場”を提供している。