理学療法士になるには?仕事内容や働く場所、働き方などを解説

2025年02月19日

理学療法士は、医療や福祉の現場でリハビリテーションを担う専門職です。
ケガや病気、高齢などによって身体機能が低下した人に対し、運動療法や物理療法を用いて機能の回復や維持をサポートします。この記事では、理学療法士の主な仕事内容や活躍できる職場、資格取得の流れなどについて、分かりやすくご紹介します。

ページ目次

理学療法士とは

理学療法士は、身体に障害のある人などにリハビリを施し、理学療法を行います。
患者様一人ひとりの身体機能や生活状況に応じたリハビリ計画の立案や実施、物理療法などが主な業務です。

運動・訓練で身体運動機能の回復をサポートし、自立を促す仕事

理学療法士は、医師の指示のもと、患者様の身体機能を評価します。筋力・関節の可動域・バランス・歩行能力などを測定し、どのような支援が必要かを見極めます
そのうえで、患者様の状態や生活環境を踏まえてリハビリの目標を設定し、リハビリメニューを作成します。

たとえば「一人でトイレに行けるようになる」「買い物に行けるようになる」など、具体的な日常生活動作の獲得を目指します。

理学療法士は国家資格

理学療法士は、国が認定する国家資格であり、専門性の高い医療職として位置づけられています。医師の指示のもと、患者様の運動機能や日常生活の回復をサポートする役割を担います。

厚生労働省が毎年「理学療法士国家試験」を実施

理学療法士の国家資格は、厚生労働省によって実施される「理学療法士国家試験」に合格することで取得できます
試験は年に1回開催され、全国の理学療法士養成校の卒業予定者などが受験します。幅広い医学知識と臨床技術が問われるため、入念な準備が必要です。

理学療法士になるには

理学療法士になるには、まず大学や専門学校などの養成校で、必要な知識と技術を習得します。カリキュラムを修了し、国家試験に合格することで、理学療法士として働けるようになります。

全国各地にある理学療法士の養成校。社会人からも目指せる

理学療法士になるには、厚生労働大臣が指定した養成校(大学・短大・専門学校など)で、3年以上にわたって専門課程を履修し、国家試験に合格する必要があります。養成校は全国にあり、社会人を対象とした夜間部を導入している学校もあります。年齢や経歴に関係なく、志があれば理学療法士を目指せます。

理学療法士の仕事内容

理学療法士の主な仕事は、日常生活に必要な基本動作能力の回復・維持・障害の悪化予防を目的とした、運動療法や物理療法などです。次のセクションでは、理学療法士の仕事内容を詳しくご紹介します。

検査測定・評価・記録

リハビリを行う前に、患者様の身体機能や動作の状態を把握するために、筋力・関節可動域・バランス能力などの検査や測定を行います
その結果をもとに治療計画を立て、適切なリハビリを提案します。リハビリの進行状況は適宜記録し、定期的に評価を行ってプランを見直します。

日常生活動作練習

ベッドからの起き上がり・立ち上がり・歩行・階段昇降など、日常生活に欠かせない動作を練習し、自立を目指します
患者様の状態や目標に応じて、段階的に難易度を上げながらトレーニングを行います。

物理療法

電気・熱・超音波などの物理的刺激を用いた物理療法を行うのも、理学療法士の仕事です。
痛みの軽減や筋肉の緊張緩和、血行促進などを目的としています。
運動療法との併用で、より効果的なリハビリが期待できます。

運動機能の回復・強化に必要な業務

利用者によっては、日常生活動作練習と物理療法で身体能力の向上を図りながら、より良い日常生活を送るためのサポートが必要なこともあります。
全快が見込めなくても、生活の質をできるだけ上げた状態で生活できるよう、ライフスタイルを提案・検討するのも理学療法士の仕事です。

住環境整備

理学療法士は、患者様が退院後、在宅で安全に生活できるように、手すりの設置や段差の解消といった住環境の調整を提案することがあります
実際の生活動作を評価したうえで、具体的なアドバイスを行います。

補装具の判定・調整など

補装具(義足や義手、車椅子など)の適合や使用方法についても、理学療法士が関わる場面があります。
必要に応じて作業療法士や義肢装具士などと連携し、患者様に最適な補装具を提供します。

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周辺職種との連携が重要

チーム医療の一員として、理学療法士は医師・看護師・ケアマネージャー・医療ソーシャルワーカーなど他の専門職と連携しながら、患者様の回復を支えます
こうした周辺職種への理解や、スムーズな連携をうながすコミュニケーション能力も、理学療法士に必要なスキルといえるでしょう。

理学療法士の主な職場

理学療法士は、さまざまな医療・福祉の現場で活躍しています。代表的な勤務先には、以下のような施設があります。

病院・診療所

病院や診療所では、入院患者や外来患者に対し、日常生活動作(ADL)の回復を目的としたリハビリテーションを行います。
免許取得後、最初の就職先としても病院・診療所は多くの理学療法士に選ばれています。規模の大きな病院に就職し、教育制度などを利用してスキルアップを図りながら、次のステップを模索するケースもよくみられます。

行政機関など

行政機関などに就職するという選択肢もあります。役所での介護福祉・健康促進・自立支援などのセクションをはじめ、特別支援学級や保健所等も視野に入るでしょう。
行政機関などでは疾患・障がいからの自立サポートのほか、健康な人の保健指導や健康相談、リハビリレクチャー等を中心に従事している理学療法士が多いようです

介護施設

介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの介護施設でも、理学療法士は重要な役割を担っています。入所者や通所者に対して、身体機能を維持・向上させるためのリハビリを実施し、日常生活の質(QOL)の向上を目指します。
高齢化が進むなか、介護施設でも理学療法士の需要は、ますます高まっています

障がい者・障がい児施設

障がいを持つ子どもや大人が生活する福祉施設では、理学療法士が個々の発達段階や身体機能に応じたリハビリを提供します。自立した日常生活を送れるよう、移動や姿勢保持の支援、福祉用具の活用方法の指導なども行います。長期的な支援を通じて、利用者の生活の質を高めることが求められます

一般企業

医療・福祉分野に限らず、一般企業でも理学療法士の知見が活かされるケースがあります。
たとえば、健康増進事業を展開する企業では、社員の身体機能評価や運動指導に携わったり、商品開発やマーケティングに協力したりすることが考えられます
また、企業内の産業保健スタッフとして、従業員の健康支援を行う役割もあります。

教育・研究機関

大学や専門学校などで教員として、未来の理学療法士を育てる道もあります。
臨床経験を積んだ後に教育分野へ進む人も多く、授業・実習指導・学術研究などを通じて専門知識を深めます

スポーツ業界

プロ・アマチュア問わず、スポーツの現場でも理学療法士は重要な役割を担います。
選手のケガの予防・リハビリ・パフォーマンス向上を目的としたサポートを行い、トレーナーなどと連携しながらコンディショニング管理を担当します。

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まとめ:さまざまな場面で必要とされる理学療法士

理学療法士は国家資格です。専門学校や大学等の養成機関で3年以上学んだうえで、国家試験に合格する必要があります。
資格取得後はキャリアプランやライフステージに応じて、職場・働き方を選べる職業です。多様な環境で視野を広くもち、活躍できる仕事といえるでしょう。

医療21コラム記事監修者
株式会社アドバン

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